胡の馬 くうを駆ける

中文系の作文課を聴講した。昨日は作文のための「観察」ということがテーマ。
例文として出されたのが、杜甫の「房兵曹の胡馬」の五言律詩。

胡馬大宛名 鋒稜痩骨成 竹批雙耳峻 風入四蹄輕 所向無空闊 真堪托死生 驍騰有如此 万里可横行

大宛の名のある胡馬は、鉾のように引き締まった骨格、竹をそいだような二つの耳。風に乗って軽やか。向うところ空間が存在しないようであり、まさに死生を託すに値する。勇ましさかくの如し、万里を自由に駆け巡ることができる。
(参考web漢文大系http://kanbun.info/syubu/toushisen089.html

まるで中国画の駆ける馬の絵をみているような感じですね。

確かに杜甫の鋭い観察の目。ある学生は「目撃(muji)」と表現し、先生は「慧眼(huiyan)」と表現されていました。


今学期は日本語学科大学院でまた「日本語表現」という授業も持たされていますが、中国語表現との比較を考えるにも得るところがありそうです。