武漢物語

最近やることに埋もれて、ぬくぬく?部屋にいることが多いのですが、たまってきた新年の新聞を、服務員さんが掃除にきてくれた間に目を通しました。

市が取り組む10の課題も面白いのですが、一番気になるのは、地下鉄の水漏れでしょうか。開通した地下鉄はそれぞれの駅にその特徴に合わせて趣向を凝らした壁画などがあるようす。これをみると相当力が入っているようで、一つ一つ見に行きたいところですが、微博によれば、光谷の駅でも水のカーテンが流れて壁の防水ペイントがはがれたとか、水の街武漢の地下鉄の苦戦が伝えられています。

それから、余友珍と言う女性(53歳)歳の記事。
17棟のアパートを持ちながら、今でも、月給1420元の道路清掃の仕事をしていると評判になっています。興味をもって百科を読んでみると、もともとは東湖村で農業に従事、朝3時に起き野菜を洗って、自転車で売りに行き、朝から晩まで夫婦して働いたお金で、アパートを立てたところ、おりしも武漢の発展に伴い農民工が増え、安い料金で部屋を貸していた。90年代に入ると今度は市街地の拡張で農地が減り、やることがなくなってしまい、トラックを売って、深センにでようとしたお金で、結局、3棟のアパートを建てた。
2008年の村の再開発で、土地が一晩で何倍にも。そして、いまや17棟1千万元の富豪になったと。まるで「動かないわらしべ長者」。彼女の人生は武漢の発展とともにあるのですね。

でも彼女が、富豪になった今でも、朝早くから道路清掃の仕事にでるのは、同じく金持ちになった村人たちが、朝から働かず、博打、ひどくは薬物に手を出す人もいることに心を痛めて、ご自身の一男一女に対して「お前たちがちゃんと働かないなら財産は国家に寄付する」と言い自ら働く姿を示しているのだそうです。

このビデオに映る姿を見ると興味深いのは余さんのかぶる帽子が「雷鋒帽」であること。雷鋒は「雷鋒に学べ」と毛沢東が言った、中国人民解放軍の模範兵士。人は装いでも物を言いますね。つまり「お手本です」という意味。

百科には、最後に、このように記されています。
「富豪にしろ、清掃婦にしろ、それらは周囲の人が彼女に貼ったラベルに過ぎない。
子どもを愛し、教育する母親、これが余さんの本当の役だ。彼女の行動の一切はここから発している。」