mklasohi2011-05-21

ほぼまたスイッチがはいったmkですが、忘れないうちに木曜日の燕のこと。

博物館見学をしたあと民族大学で、ふと、ここにもコーヒーショップがあるのかなと聞いてみた。民大のシンボルタワーである14階建て図書館の13階にあるという。
一階は南湖に面して、つきぬけていて、湖からの風をうけながら6月に卒業していく学生たちが学士服を着て記念撮影をしていた。

エレベータで13階。ショップの名前は「鶴帰苑」、流れるような書体で書いてある。けれどガラスのドアを押して一歩入ると、もの憂い午後1時、お客さんは私ひとり、お店のおばさんたちがだらっと話をしている。足を上げ、編み物をする人、ごろりとしているひと。
ひとりがメニューをもってきてくれたが、コーヒーには期待できそうにない。何にしようか迷っていると、これがお薦めだよと。では、それで。

ガラスに頭をくっつけて、下を見下ろす。
湖の遠い向こうに建物が林立している。中の島は農村だったと聞いたが開発が進みやはり高い建物。湖の水は光を浴びてキラキラと光っている。小さな小さな生き物になって動いて動いていく自転車の学生と日傘の女子学生。
すると窓の近いところをまるで「交」の字を書くように飛ぶ燕。右に空を切り、左に飛んで急降下する。この13階の、湖を見下ろす高さに巣を設け、飛んでいくとは何と自由な羽を持っているのだろう。自然のなか辛い日もあるのだろうが、燕を見ていると、風を切ること気持ちよさが伝わってくるようだ。ひゅん。

私の背中の後ろでは、おばさんたちの大声の武漢語と、中国演歌とマイケルジャクソンが交互にながれる。果たせるかな、コーヒーは薄いインスタントに、植物性ホイップ、どぎつい色のトッピング。半分で飲むのをやめた。


コーヒーを期待して行く場所ではないが、
湖の上遥か高く飛ぶ燕をまた見に行ってもいいかなと思う 。