孔乙己

孔乙己(コンイーチ)は魯迅の有名な短編小説。
科挙に合格することなく、酒場で一杯の酒代もかつかつ、人にからかわれ、市井をさまよって死ぬ孔乙己。その言葉が半なりの封建知識人の言葉(総是満口之乎者也)ということで、それに注目していて、思わぬ掘り出し物を見つけました。
バレエになった「孔乙己」。(7分程度)
うらぶれて街をさまよい、盗みをしていつも痣だらけ、それでも、知識人の象徴・長衫を着ている。最後に聞こえてくるのは、勉学の入門書とでもいえる「三字経」のようです。ジャンプも高く素晴らしい踊りですのでぜひご覧になってみてください。
踊っているのは北京舞踊学院付属高校17歳の孫科という若者。なので、裏ぶれ封建知識人孔乙己としては、やや若いエネルギーが感じられるのも事実ですが、小説のユーモアと悲しみをよく表現しています。CCTV舞踏コンクールで金賞を受賞。インタビューでは、造形に「原作を読んだり、先生が「孔乙己」の話劇に連れて行ってくれ学んだ」と言っています。こんな学生を教える先生は楽しみでしょう。今は北京舞踏学院の学生だそうです。

孔乙己は青空文庫日本語でも読めます。短いのでこれも是非。日本語を読んでからなら、中国語劇バージョンもよくわかると思います。
原文はこちらで。

Youkuでの踊りは、まるで寒い12月のとある週末、東京の新国立劇場にでも見に行った気持に浸れました。

日本では忘年会の季節ですね。