京劇を見に行く

mklasohi2010-12-02

まとめ直し始めた論文が座礁したので、ブログでも更新します。
「上海京劇院の公演がありますよ」と携帯にIメールをいただいたのは23日。良い出し物はご連絡くださる大学の京劇の先生T老師からだった。280元の席が大学割引があるから200元ですよと。
次の日、郵便局の前で待ち合わせて受け取りに行ってお礼をいい、歌舞伎の栞セットもお渡すると、先生は嬉しそうにご覧になって、「京劇と歌舞伎はいろいろ共通点がありますね、去年坂東玉三郎さんが牡丹亭で友人と一緒に仕事をされたので見に行きましたよ。あれはなかなかできる技ではありませんね」とおっしゃった。

2晩のうち、今回は歴史物「成敗蕭何」をとお勧めくださったので、三国志が得意ではないけれどたまには全幕ものと少し予習もして出かけた。

場所は街道口・京韻大舞台。いままでにも何回か行ったことがある。7時15分開演。この時間はすでに渋滞は解消されて30−40分でつくことができた。

ところが中に入って舞台を見てあれ?出し物が違う。初めは銀の壺を盗んでその技の素晴らしさに元帥に用いられることになる「盗銀壺」。アクロバテッィクで諧謔的なところが魅力。

         


次は伍子胥の関所越え「文昭関」。切々と心の苦しみを訴えるハリのある唱。「俺はまるで哀哀長空の雁、浅瀬で無駄に時を過ごす龍、鉤にかかった魚、波間に舵を失った船…」と。感情の高まり、高音の高まりに合わせて聴衆から「ハオッ!」と声がかかり拍手が沸く。 


あでやかな楊貴妃がその宵、玄宗皇帝が自分のもとへ来なかったことを愁えて酔う「貴妃酔酒」。大輪の花の憂鬱。
                                    




それから中国の大岡越前の包拯の正義の裁きを題材にした「(金則)美案」。蛇足ですが、大岡越前ならぬ包拯の物語は中国でも「包青天」というドラマになって236集もあります。

                      



つまりオペラでいうアリア集、バレエでいうグランバドゥドゥ集?とでもいう名場面を集めた「折子戯」でした。
実は、わたしが一日間違って行ったのに、入れてくれたのでした。


ところで、京劇の特徴の一つは舞台装置のシンプルさと言われています。確かにそうですが、それぞれの写真をもういちど御覧になってくださいね、装置は平民の家や包公の法廷などなど違っています。

今回は上海京劇院の「上海京劇万里行」という活動ということで、外にはこんなトラックが止まっていました。


紅軍の革命長征の気風に学び、9月22日から五省八都市を巡る旅だそうです。さすが有名京劇団。動きも洗練され美しかったです。