ビビアンリー

博士友人の研究アンケートに協力するため、アンケート用紙を見ると、
問6.「映画『タイタニック』を友だちに勧められたが、実はその映画より《魂断藍橋》のほうがあなたは好き。そのときどう答えるか」

というのがあった。彼女の研究は「間接否定」を語用論の関連性理論で分析するというもの。もちろん中国語で回答しなければならない。
《泰坦尼克》(タイタニック)はわかるが《魂断藍橋》はわからない。まるで唐代伝記の題名のようだけど何の映画かなぁと調べてみると、ビビアン・リー(費雯・麗)とロバート・テイラー(羅伯特•泰勒)が1940年に共演した映画「哀愁」であることがわかった。中国では世界三大ラブストーリーの一つとされているらしい。アンケートを書きながら鑑賞した。白黒映画、女性はあくまで美しく可愛く、男性は逞しく、愛する女性への愛を貫こうとするが…身分の違いと戦争が二人を引き裂く。
丁度、列強が中国を支配しようとしていた時代だ。上海や武漢の租界にある建物の世界が重なって見える。

ついでにビビアンリーの生涯を読んでちょっと衝撃をうけた。
1913年インドで裕福な家庭に生まれ英国の寄宿舎で教育を受け、19歳で弁護士と結婚、一女をもうける。女優の夢が捨てきれず、女優の道へ。38年離婚と同時にローレンス・オリビエ(労倫斯・奥立弗)を追って渡米、オリビエと結婚。かの「風とともに去りぬ」など名画を残し、60年に離婚。67年にノイローゼ、アル中、肺結核で孤独な中に死す。
名画の中で永遠に咲くバラの花の最後を考えたこともなかった…。

映画の中、再会の時、ロイは彼女に待ちきれないほどの質問を浴びせる。“I have thousand of questions.”中国語字幕は「我有千言万語」。
二人で飲むストロングティがとっても美味しそうだった。
つられて濃い目の紅茶をいれて飲んだ。