沙湖へ

10周年行事出席のために上海から戻ったマイクロソフトのS君と、院に進学した虞姫といっしょに、Cさんの勤める武昌区役所の出先機関に行ってみることになった。
大学からタクシーで29元40分の場所。がらんとした窓口は出生届先(計画生育)とか、老人サービス窓口とかに分かれている。新しくはないけれど、区役所というより白い西洋レストランかなにか風で、Cさんが丁度、休日日直ということだったので、事務室も貸切状態で見学させてもらった。
4人で近くのレストランで食事した後、地図で見て歩いていけそうな沙湖にいくことにした。Cさんが勤めていなければ来る理由もない地区だ。
武漢は水溜りに浮かぶ街。長江が街を分けて流れるだけでなく、いくつもの湖が地図を水玉模様にしている。行ったことのない場所を歩くのは楽しい。が、このあたり、地下鉄工事も含め、古いコンクリやレンガの家を壊して高いマンションが建設続々建てられまったくもって埃っぽい。武昌区の行政機関も密集し、高層なら長江と沙湖の両方が眺められるということでマンションは平米7000元なのだそうだ。大学の傍のマンションなら4000元ぐらいだから、倍近い値段だ。
そんなところを誰が歩こうと言ったのか。(って、私にき決まってるね)探せど見つからない。ぐるっと湖を囲んで工場やマンションなどの建物が立っていて、湖を楽しむ散策路や公園がないから湖につけないのだ。道行くおっちゃんたちに尋ねて、建築資材問屋街の裏に回ればと教えてもらった。すでに道とは言えないブルドーザーの積み上げた土の上。S君など上海から戻ってきて、何ゆえこんなディープなところを探検するのか、私に会いに着てくれたのが運のつきというものね(笑)。1時間近くあるいて積み上げられた土とレンガの塀の間から湖の姿を見てみんなでとりあえず満足し記念撮影をした。
10周年記念冊子をめくるとすでに私が知る人が半数以上を占めている。Cさんたちも可愛い1年生だったのが、社会で働く一人として動き始めた。こんな埃っぽい高度発展時代が彼らの青年時代だ。中国人としての当たり前の夢と、本当に必要なものとのバランスをとりながらそれぞれの道を逞しく進んでいってほしいなと思う。
沙湖から戻り、ところの忙しさも手伝って砂のように眠ってしまった。