一日一冏

今日は別の中文系の別の教授のサロンに行って来た。尉遅(ユーチー)教授のところは日曜日にも勉強されるのだ。
「中国語史データ構築のための漢字バンク開発」という計算言語学のお話で、すでに1.金文図片字庫 2.今昔文字鏡 3.華東師範大小篆字庫 4.北大方正字庫などがあるが、パソコン上で文字化けをするためそれを凌駕するものを製作中なのだそうだ。文字数は6万字。異体字のPC上の造字処理法など学生さんの発表があって、個人的には普段、接しない領域、想像していった内容ともちょっと違ったけど。
金文文字などを見ていて、思い出したのが「一日一冏」(実際はくにがまえのほう)。
中国語の顔文字は欧米系の横向き「:D」「:−」が主流で、日本式縦型は少ないd(^^)。そんな中で最近、注目されているのが古代文字の「冏」。まだ携帯の選択文字の中にはないが、まるで人ががっかりため息をついている顔に見えませんか。中国語音はjiong、ジヨンに近い。
初めて見たときは、これを見つけてきた人のセンスに感激した。今は日本のorzをもじって「冏rz」もある。つまり困った顔で「落胆ポーズ」をつけているさま。
本来の意味は「窓からの光、輝くさま」。中国語のわかる方はオンライン新華辞典でご確認ください。。しかしそこにある「冏」はすでに困った顔にしか見えなくなっていることでしょう(笑)。日本でも流行るといいですね。
「一日一冏」というフラッシュもあって、独特のナレーションもなかなかツボです。また、そこに英語が多く使われているのも、今の中国語現象の一面です。
冏冏、冏卿、冏然。 さてお仕事。冏あ〜。