マイクロウェーブ

mklasohi2008-07-27


シェリーさんが明日帰国すると言うことで電子レンジをくれた。9月からの学期忙しいとき、秋が冬に向かうとき、シェリーさんの暖かさを感じるだろう。
ちょっと気を取り直して、旅の話。世界遺産ハロンベイの風景を少し。
ハロンベイは細長いベトナムの先っぽにあるリゾート。奇岩の島が湾内にいくつも聳えている。その形は「海の桂林」を思わせる。朝の桟橋には、茶色の海賊船のような船がいくつも繋留されなどと書いてある。大航海時代や、ベルギーの漫画家エルジェ、私の好きな「タンタンの冒険」を思い浮かべる。フランスの90年に及ぶ支配は家の形や、ボートの雰囲気まで中国からベトナムを切り離している。
けれど、旅行客の乗る船に、果物を売りにくる小さな船は△形の笠をかぶった、決して裕福とは思えない親子だ。バナナとマンゴー、ドラゴンフルーツのセットで20元はちょっと高いけどそんな親子の商売言い値で買う。ただ男の子に新鮮なのに取り替えてもらった。きれいな景色を眺めながら食べるトロピカルフルーツは格別。
奇岩の島は、猟師が台風の避難で見つけた鍾乳洞だとか、砂浜のある島は海水浴場になっている。山のてっぺんまで急な石の階段を上っていくと、泳ぐ人たちが豆粒のように見える。

私は海には入らなかったけれど、日傘を持っていかなかったから見事に焼けて鏡に映す顔、も手も真っ黒け。
ハロンベイは3日目夕方も戻って泊まった。ハノイではべトナムコーヒーを飲む時間が取れなかったので、ある小さいホテルに「CAFE」と書いた看板を見つけて入った。
紅木の長いすに横座りのお兄さんに英語でいくらか聞くと、1000ドン(5元)だ。インフレが進んでいるらしい。奥に入ったかと思うと、コーヒーを入れるアルミ製のこし器と氷、砂糖、お水をお盆に入れてもってきてくれた。コップの下には練乳が入っていて、ミルクはもっといるかと聞いてくれたが断った。ポトポト落ちるのを待つ。
お兄さんは、またもや長いすに横座りになって、テレビドラマを見始めた。ええっと、こういうのは何なんですが、このお兄さん、横座りといい、耳のピアスといい、睫毛のカール具合といい、ちょっとそれ系の雰囲気が漂う人。違ったらご免。けど、んーむ。四角い顔になんだか色っぽいような眼差し。
夕食までの待ち合わせには1時間あったので、もって行った宿題の言語学の本を読みつつ。異国のコーヒー。時間がこんな風に過ぎるとき羇旅の歌は静かにきらめく波の歌…。


それにしてもシェリーさんの電子レンジ(微波炉)、大きな音で回る。チーンもどことなく仏教国の響きなり。チエンビンを温めてみた。