起義門

冷房をつけて寝て少し風邪気味。最悪。とめるとじっとりと汗が滲み出てくる。すごいなぁ武漢の夏。
宿題を少し片付け、夜はN老師と首義園で食事、そのまま近くの街を歩き、日暮れて紫陽湖公園を抜け、夜道、起義門に出た。武昌を囲んでいた城壁にある門の一つだ。300年の歴史があり中和門という別名を持つ。地図上に城壁を描いて歩いたのだけれど、果たして古い門に突き当たった。それは門の周り数メートルほどしか残っていない城壁と楼閣で、幾たびか補修が加えられているが、幾時代かを見据えた土の風格がものを言っている。
紫陽湖畔では清朝打倒の革命党が最初の烽火をあげたと言われ、民国以前の街、武昌決起の時の姿をどこかに感じる。こんな街のたたずまいもまた2−3年後には取り壊されてしまうのだろう。
N老師はもともと中国史がご専門。この2年間一緒に歩いて面白いもの、美しいものをたびたび見つけた。最後に起義門を見つけることができて、「きっと中国史の神様が着いているのですね」と言った。
首義路を歩きながら、2人で革命を起こしましょうか。何に対して?共産党かなぁ、とも冗談を言った。
ご主人と猫の待つ日本へ、帰国の途に着かれる先生をこれから飛行場へ送る。
日はとっぷり暮れ、この夜の門は写真には撮れなかった。が、受けたご恩ともども忘れることはないだろう。