けっこう大変な展開

前回日記を書き終え、ベッドに入ろうとした頃から悪寒がし始めた。部屋をどんなに暖かくしてもぶるぶる震え、そのあとは昨日の夜まで、ほとんど地球の片隅小さい発熱体となってベッドに横たわることとなった。が、これがいつもより大掛かりなドラマだった。
去年も同時期に風邪を引いているが、今回吐き下しが激しくて、熱とともに体力を奪われっぱなしだった。翌日ふとしたことから4年生のCさんに漏れ、病院にいこうとしない(行く元気がない)私のために、武漢大学医学部研修医のTさんがやってきて(Tさんに会うのも4度め)、それを見た宿舎の主管があわてて外事処に連絡し、連絡を受けた外事処から次の朝、若い先生がやってきて、「武漢で一番よい病院・同済大学病院に予約を取りました。お車も用意してありますから今から行きましょう」という展開になった。
お車?漢口?往復だけで2時間以上、大病院だと検査で下手すると長時間かかるだろう。胃腸に来たのは細菌またはウイルス性で西安のファラオの呪いかもしれないが、基本は疲れと風邪。武漢の最良の医療がどんなものかという興味はあったが、できれば水曜の夜の授業に出たいし、とにかく休養を取りたかった。Tさんも「今は休養と食事が一番の薬」と口添えをしてくれて、行くだけで眩暈のしそうな「お車」での漢口往復をせずにすんだ。
外事処がこのように手厚いのもこの1年故障を起こす外教も何人か出たせいもある。昨年末、新しい先生が倒れて帰らぬ人になり、アメリカからご家族がこられることが起こった。12月末コンサートの帰りだった、一足早く手を振って車を降りていかれ水銀灯の向こうに遠ざかる後ろ姿を見送ったのを覚えている。
私のこんな大変な3日間も過ぎ、今日は何とか6時間の授業をしてきた。体のあちこちで復旧作業中状態なのは感じるが、恐いものではないことは分かる。
Cさんと研修医のTさんは夜も遅くまで、朝も7時半から心配して見にきてくれた。付き添われた時間は苦しかったが、今回の一番の贅沢だろう。篤い心に感謝。
皆様もどうぞお気をつけくださいませね。