あるドラマ

今日は、久しぶりの青空。旅から帰って、散歩に行く以外、ほぼ<ひきこもり>。本を読んだり、トマトソースを作って冷凍、自由な時間があるのは嬉しい。
 「陪読(ペイドウ)」という中国ドラマDVDを見終わった。全26集。「陪読」というのは、近来の大学進学熱の高まりを反映した言葉で、より良い大学に入るため、親が自分の仕事を辞めて、子どもと一緒に進学率の高い高校の近くに移り住むという現象のこと。越境入学についてくる親といった感じですね。
 名門高校の近くに「陪読村」というコミュニティができ、長屋暮らしの中で、互いを志望校の名前「北大(ペイター・北京大学)」「清華(チンホア・清華大学)」などと呼び合い、助け合いながら、時には人間関係のうるささも見せながら暮らしている。そこにある母子が引っ越してくる。学校が進学率向上のために特に近郊からスカウトしてきた秀才・小山(シアオシャン)とその母・阿瓊(アーチョン)だ。
美人で聡明、控えめながら芯の強いアーチョンが、「陪読村」の前からの住人・家宏(チャーホン)の昔の恋人だったために、チャーホンの一家との波風とともに物語が進む。
 一人っ子の受験のために、様々な犠牲を払う親の姿や、足を長くするために杭を打ち込む手術を受ける女の子、ネット屋に入り浸る男子生徒。北京大学を受けるのは北京の戸籍のある人が有利で平均で100点も違うと言われているが、受験にいろいろと技もあることなど、中国の教育上の問題が散見できるが、実は見ていた理由は他にある。このドラマは武漢で撮影されたものなのだ。 
 ドラマの中では「南江市」という架空の中部大都市になっているが、長江・江灘公園はもとより、東湖、江漢路など馴染みの街の景色がところどころにでてきて、あそことわかるのが楽しい。
ヒロインたちがしょちゅうコーヒー屋で話をしたり、季節感のずれがあったり、けっこう突っ込みどころもあるけれど、武漢では「チャングム」の視聴率を越えたらしい。
「陪読」ロケ隊一同が貧しい学生に寄付をしたというネット記事も読んだ。ところで、陪読は高校ばかりの現象ではなく、大学、海外留学まである。以前一度お目にかかった別の大学の女の先生も娘さんの教育のため大学の職を捨て、上海で不動産業を営むご主人を置いてカナダに移り住む予定だとおっしゃっていた。望子成龍(こどもの出世を願う)の親心。制作会社と新浪が行ったアンケートでは「陪読」に否定的意見が多かったようだ。
 最近記事がちょっと長いですね。