胡同のひまわり

mklasohi2006-08-02

日曜日、Bunkamura、ル・シネマで張楊監督・映画「胡同のひまわり」を見てきた。北京の胡同の文革終了後から30年の変遷と、そこに暮らした画家親子の絆が描かれている。自伝ではないが、監督自身の子ども時代の生活、風物が再現されているという。76年の唐山地震時の北京や毛沢東死去のニュースなども流れ当時の雰囲気が伝わってくる。
自転車で走り回った北京が映画の中に現れる。凍った後海でスケートをする人。胡同の暮らし。05〜06年北京には、高層ビルの林立とは対照的に、故宮を取り囲んで存在する胡同が想像以上に今も残っている。北京市は一部保存を決めたと聞くが、オリンピックの準備でどのくらい取り壊されてしまうんだろう。
すべての保存を願うのは外国人のエゴなのだろう。Karenさんと行った国子監近くの小さいコーヒーショップは胡同の建物の一部を改造して作ったものだったが、胡同の暮らしではトイレは外の共同トイレにいかなければならなないし、秋に瑠璃廠から前門までを夜ひとりで歩いたときに覗いた生活も便利そうだとはいえなかった。電球の影がすりガラスから見える30年も40年も前の暮らしなのだから。でも、一つ一つの壁の奥にある北京の生活の知恵は残して欲しいと思う。
 映画の中で息子の作品として紹介されていたのは中国のモダンアートの代表・張暁剛の作品。展覧会も14日まで渋谷で開催されていたが、行きそびれてしまった。http://www.artworld.jp/Art%20World%20in%20CHINA/ZhangXiaoGang-Top.html
武漢には北京の胡同ほどの歴史や文化を感じさせる横丁はないが、大学近くの私のワンダーストリートもその一部がワールドショッピングモールへと変貌することが計画されている。どこでも同じ大都市にはならないでと思う。
下記、民国36年(1947年)と80年代の北京地図と民俗図です。地図は拡大できます。
 http://www.oldbj.com/pics/oldbjmap5.jpg 民国36年地図−城壁が取り囲み、北京大学故宮のすぐ北にある。
http://www.oldbj.com/pics/oldbjmap6.jpg  80年代地図
http://www.oldbj.com/bjlife/bjfolklore/bjfolk00026.htm 民俗画