狗年旺旺(いぬ年 わんわん)

mklasohi2006-02-08

北京
今回北京はKarenさんを伴って行った。
初日(27日) この日の北京は暖かく、秋にTracyさんと回った北海(ベイハイ)や後海(ホウハイ)へ自転車で行くことができた。しかし、これまでの寒さを物語るかのよう、秋には柳の枝が水面をなでていたその運河も今回はすっかり凍りつき、スケートや橇を楽しむ人でいっぱいだった。
晦日(28日) 中国人のA先生の妹さんのところで迎えることになっている。お土産を何にすべきかとKarenさんと半日探して、結局ホテルの人に薦められた王府井の老舗茶店「呉裕泰」の高級なお茶セットにした。300元。私たちのホテル代より高い(笑)。それから、秋にお目にかかったお母様が甘いものがお好きなので、私は王府井の地下「面包新語(Bread Talk)」というベーカリーで新年のケーキを買った。130元。北京―武漢片道切符の半分ぐらいの値段。でもここのパンやケーキは中国で食べた中で一番おいしいと思う。
 3時の予定がお土産選びに手間取ってお約束の駅には、連絡を入れて4時ごろ着く。地下鉄13号線沿いは北京のベットタウン。日本に比べてその高層マンションの間隔が広く、新しく整然と冬枯れの大地に立っている。お邪魔した妹さんのお宅もアメリカの生活を思い出すような広くて、心地のよい設計・照明。豊かな都会人生活を垣間見せていただいた。   
 玄関や部屋のドアに魔よけや、福の字、など春節の飾りが貼られていて、温かい部屋に春を迎える喜びと暖かさを増している。お母様と先生姉妹のそれぞれご主人、従兄弟さんとガールフレンド、Karenさんと私の9人での年越しだった。
 朝の五時起きで用意を始められたというご馳走は、肉、魚、野菜、新疆風のサラダなどどれも違う味付けで、豊かに次々運ばれてくる。まさに「口福不浅(食べることの幸い浅からず)」 
そうです!日本ではおせち料理は元旦に食べますが、中国ではこの大晦日に家族が集まってご馳走を食べるのです。それぞれに意味のあるお料理で、魚は特に中国の吉祥図としてよく描かれる「年年有余(年年に余り有り)」の意で、「魚」と「余」の音が似ているため余りある豊かさを意味し、年を越して一時ごろに皆で作った餃子も交差・行く年と来る年を意味するのだそうだ。
ガラスの大きな金魚鉢に二匹の出目金も泳いでいた。金魚の音は「金玉」とも通じている。

この夜のお楽しみの一つはCCTV(中央電視台)の中国版紅白歌合戦春節聯歓晩会」。12時まで続く。紅白歌合戦と違い、歌がメインではなく、コントや漫才、雑技、踊りなど総合的な番組。ご主人方はマージャン。これも大人の年越しの伝統だそうだ。今回の「晩会」で特に私の印象に残ったのは、唐山市のお婆さんたちと小さい女の子たちの伝統の踊り。60は優に越したお婆さんたちが女の子に負けない素早い動作とジャンプで踊る。中国女性の一生の始と終わりの姿をみているようなそんな気もした。
http://www.cctv.com/dance/20060207/101226.shtml
歌ではモンゴルの一家三人(布仁巴雅尔)が歌って昨年ヒットした《吉祥三宝》。下記で、モンゴル語での明るい一家の三重唱を楽しむことができます。注)実の娘は10代に成長したため、可愛い姪が子どもの部分を歌っている。モンゴル語の響きが本当に魅力的です。

 お父さん お日様とお月様と星は何?  吉祥三宝(めでたい三つの宝)だよ
 お母さん 緑の葉と花と果実は何?   吉祥三宝(めでたい三つの宝)だよ
 お父さん お父さんとお母さんと私は何?吉祥三宝(めでたい三つの宝)だよ
 (中国語の歌詞から訳)
それから全国の古典劇、京劇、川劇、昆劇、越劇の紹介も違いがよく分かってよかった。

 外では既に遠く小さな花火の音も聞こえて来ている。12時になる前に外へ花火をしにいかなきゃと、皆急ぎ厚いコートを着込んで、マンション区門外の広場に向かった。すでにドンドンと花火が上がり、爆竹のパパパという音も聞こえてくる。轟音、冬の花火。このすさまじい音で邪悪を祓うのだそうだ。
 北京では12年ぶりに空港などの一部地域を除いて爆竹・花火が解禁になった。その喜びとも聞こえる。自分の中の最近の邪悪が少し抜けだして行った気がした。