天使が耳をすます時間

mklasohi2005-11-28

会話の時間は、いかに学生に話させるかに苦心し、教師が話す時間は減らすように心がけているが、日本人の先生に日本の話を聞きたいという要求には応えている。
2年生の例文に「あのレストランではネクタイをしなければなりません」とある。ネクタイをしなければならない場面とネクタイをしなくてもいい場面を話す。そのことを説明するため、京都議定書から語り始める。
地球温暖化防止のために、日本は二酸化炭素の排出量を1990年を基準として6%削減を目標に掲げた京都議定書が今年の2月16日に発効した。アメリカ、中国はこの議定書に参加していない。日本では電力の使用量の削減の取り組みとして、夏の冷房温度を28度に、冬の暖房温度を20度に設定するようすすめている。
蒸し暑い日本の夏、男性はネクタイをして、背広をきて出勤するのだからこれは地獄のようなものです。この夏はクールビズと言って、小泉首相をはじめ、政治家たちも競ってネクタイをはずしました・・・。
話が途切れて、静寂が訪れる時間をフランス語で「天使が通り過ぎる時間」と表現するらしいが、それはまるで天使が耳をすます時間。会話でざわついた雰囲気が一変、しっかり聞いてくれているのだ。おおっ、きちんと話さなきゃいけないぞと思う。
 たまに日本の社会問題への取り組みなどを紹介することで、いくばかりか彼らの価値基準に影響を与えていると感じることがある。中国の未来については彼らが選び取っていくものだが、日本の経験や知恵は彼らが行く道への参考になることもあるはずだ。
 ハルピンなど冬の部屋の暖房温度が高いときくが、武漢は冬の暖房を基本的に使用しない政府の方針の北限とかで、がたがた震える冬、学生の寮や古い教室には暖房そのものがない。先日、新教室はいつから暖房が使えるかと聞いたら、気温が0度になってからと答えが返ってきた。日本もそれなりの努力を続けていなければ、中国に向かって語るべき言葉を失う。
写真は学食 甘い豆乳は私には幸せな味です。