やがて悲しき外国語

村上春樹のエッセイではないが、前半2日はTracy先生と行動し、後半2日は自由行動だったが、前半は、ずっとあちらとこちらに訳していると一体誰に何語を喋っているのかヒドク疲れた。ヒトの頭は母語と外国語の2つのスイッチしかないのじゃないかと思える。少なくとも私の仕様は中国辞書になっているときは、英語辞書にいちいち切り替えている感じ。ああ、もう英語は捨てたい気分(笑)。
帰りの汽車が北京西駅を出るまでに、夕方飲んだコーヒーのことをTracy先生と話をしているとそれを聞きつけて、前の寝台に座ったお姉さんが「私は北京でコーヒー店を開いているのよ」と声をかけてきた。武漢にも出店を考えて現地調査に行くのだそうだ。まだ30そこそこ。やる気に漲った人で、次はペット用品店を開きたいと思っているという。今の中国はペットブーム、犬はどちらかというと小さい犬種が好まれているがキャンパスでダルメシアンを見かけたこともある。ペット用品に目をつけるとは、こんな人が中国の商品経済の動きを支えて行くんだろう。コーヒーもまだまだ「イメージ」の飲料で中国全土に浸透し根を下ろしてはいない。武漢では、おいしいコーヒーを飲もうと思えば、ワンタン10杯分の値段だ。
 彼女は武漢で一日過ごして夜にはまたとんぼ返りだそうだ。こんど北京にきたらコーヒー一杯ごちそうしますよと名刺をくれた。うん、次はいつ行こうかな。