かなりマニアックかな

晩い午後と夜2つの授業があるが、午前中、時間が少しあったので、Karenさんたちと、この大学で開かれた国際会議と名のついたシンポジウムを少し聞きに行った。
名称は“Science and Human Spirit From the Postmodern Perspectives”(ポストモダンの視点から見た科学と人間精神)。わたしが聞いたのは「科学技術と社会」というセッションの一部分だけだ。
 Consciousness Globalism (グローバリズムの自覚)と題された講演は、主に企業の社会的責任CSR(Corporate Social Responsibility)の話で、例えばウォルマートの収益はインドネシアGDPに等しく、中国内で外国企業として7位の活動を行っているし、GMトヨタなど国際的にシェアや工場を広げている会社はその地域に与える影響を十分自覚し、地域住民へ環境への意識を高めていく責任があるといった内容で、日本ではそう目新しい話ではないと思う。そうした企業の中国での意識向上は難しいことではないだろうという楽観主義の根拠はちょっとわからなかった。
 「あれ、これは何?」と目を引いたのが、2つ後の演者の所属名にある“Ecozoic Studies”という言葉。 エコゾイック?というのは「生命の家」という意味のようで、ギリシャ語からの造語で、エコロージーと同系、地球で生きることを人間中心に考えるのではなく地球中心、生命に目をむけて暮らす暮らし方といったことのようです。カトリックの神父でもあり仏教や中国の道教にも造詣の深いThomas Berryというアメリカの宗教家が考え出した言葉らしい。あまり知られてないようでアメリカ人のKaren先生もカナダ人のTracy先生も何?といっておられた。ノースキャロライナにあるCenter for Ecozoic Studiesという税金免除のNPOがそのコンセプトの普及を使命として活動しているようだ。関連の書物がこのたび中国で翻訳されたということだった。新しい言葉に反応して少しwebサイトを読んでみたけれども、やっぱりややマニアックな感じが・・・
環境意識を訴える言葉も「公害」から、エコ、持続可能な社会、スローライフ、最近ではロハスLOHAS =Lifestyle of health and sustainability「地球に優しい」は人の体にも優しくなければという考え方)と洋服を取り替えるように現われ、確かに意味するところの変遷も時代状況にはあっているが、最近の言葉の輸入は、環境保全がイメージで売らなければなかなか人を惹きつけられない運命にあるからだという気もしている。