『老照片(古い写真)』

mklasohi2005-07-18

ちょっと風邪をひいてやすんだ。
寝てばかりいたが、窓枠の水漏れ工事の人が来たりで起きている間は、置いてあった数日前のハルピンの新聞「生活報」を見たり、旅の前、武漢の部屋の片付けで見つけた岩波現代文庫『日本近代思想批判」』(子安宜邦)、こちらの本棚にあった『老照片(古い写真)』(山東画報出版社)をぱらぱらと見ていた。
文庫は哲学科の博士だった、去年の先生が残していかれたもので、何しろ日本語の本がないので(苦)、旅のお伴につれてきた。『老照片(古い写真)』は古い写真とそれにまつわる文章の投稿によって成り立っている3ヶ月に1回発行の雑誌で、こちらにあったのはその合本版。一枚一枚の写真に濃密な中国の人々の人生と時代背景があって、興味深い。中国近現代史を研究される方の資料ともなるだろうと思って読んでいたら、夜、『日本近代思想批判」』の方に「書かれたものと書きえぬこと、歴史叙述として書記化された過去と、歴史として書記化されえない過去の民衆的記憶」ということが書かれ、『老照片』においても、投稿者のないところ、編集の段階で書記化されぬものが存在すること、また、証言者の違いで、歴史の読み方が変わることを、どう判断するのとぐるぐる・・当分枕もとにおいて一休みふた休み。