黄山に登る

mklasohi2005-05-05


 黄山は‘90年に世界文化遺産及び自然遺産に登録された山で、中国十大名勝の一つ。中国の五岳も黄山に登れば、もう登る必要がないと言われる名山である。この連休、古都西安にでもと思っていたが、一人旅はよくないと言われ、誘われるままに世界遺産に上ることになった。人生は不思議。 72連山、最高峰は蓮華峰1873m。途中、雲がかかったので、第二の峰、光明頂1841mまでしか登らなかったが、まさしく山水画の巍々として聳立する山の中に迷い込んだようだった。
掛け軸の水墨画を思い浮かべてくださいね。

貴族化

黄山九寨溝など自然遺産は今、中国の人気スポットの一つ。こうした風景区に行くことが一つの流行で、連休前から、シーズンオフの85元の入山料が200元になると噂され、入山料の高騰やピーク時に行くことの「貴族化」が新聞で話題になっていた。大幅な引き上げは6月夏登山からのようだ。その理由は「維持管理費」、「客流を分ける」ためなどとされているが、世界遺産保全費は消費者ではなく国家の財政から負担されるべき、また地方の占有財産ではなく国や国民の利益に還元されなければならないと言った意見とともに欧米の国立公園と比較して高すぎると新聞にでていた。それにしても水墨画の山に全山人人人、人の隊列が続く。客流を分けることが不要とはあながち言い切れないだろう。
 

自然遺産水準

雲海漂う山容は、さすが自然遺産のレベルと感じ入ったが、同時に驚いたのが、登山ルート(全10時間)が完璧に整備されていること。全ての道がコンクリートの登山道になり、要所要所に休憩スペースが設けられている。しかもそれが、自然に溶け込んだ形で整備されていて、ごみひとつ落ちていない。但し、日本のように登山客の持ち帰りの努力によるのではなく、至る所に切り株のような「ごみ入れ」が作られ、衛生係の人が集め、また別の係の人がごみ袋をもって下山するという驚異的なまでの人海(山?)戦術。あと3mもいけばゴミ入れというところでペットボトルを捨てている人や、集めている人の向こうで袋を投げている人ありで、あ〜あ。
          

ロープウェイの中の日の出  当日(3日)は3時起床。ロープウェイがあるから大丈夫と聞いていたが、約11時間の登下山でロープウェイに乗ったのは最初の10分だけ。下山では足はバリバリと痛み出し困ったが、行く前に知らされていたらきっと尻込みしただろう。一緒に行ってくださった武漢大学のY先生、中南財経政法大学の研究員のIさん、武漢大学生K君、財経大L君に感謝。


 黄山をとりまく風景区にはオスカーを獲った「グリーンディスティニー」の撮影地「情人谷」や太平天国の乱の戦いの場の一つとされる太平湖、黄山毛峰など名茶の買える黄山市のお茶市場などもあって、楽しめます。北京・上海等大都市から飛行機がでているので、健脚でかつ掛け軸の中に迷い込みたい方はぜひおでかけください。
http://www.uhuangshan.com/japanese.htm  
写真:黄山市太平の宿近くで三輪バイクのタクシーにのりました。

おまけ

  

  • 安徽省の犬 行きに寄った食堂のわんこ。湖北、安徽、江西でも大体飼い犬は自由行動。自由と愛情を受けてわんこたちはのんびり。
  • いけす  同じく食堂で、メニューの代わりに野菜の棚があって、選んだ野菜を炒めてくれました。言わば野菜のいけす。
  • 景徳鎮  帰り道に江西省景徳鎮陶磁器センターに寄ってくれました。アウトレットモールのような感じ。私は痛む足に貼る膏薬を薬局に買いに行ったりしたのでお宝は買えませんでした。50ピース食器セットが220元(約3000)ぐらいからあるようです。