美しい波

一難去ってまた一難のように解決しなくてはいけない問題も多くけっこうくたくたですが。先週の努力、学生たちの作文を添削して送った、「地球ラジオ」で、8名の作文を取り上げていただけました。
6月8日5時台41分ごろから、ことわざテーマで、そして6月9日の「家宝」についてでも紹介していただいています。後者はまだチェックする時間がなくて、時間帯がわかりませんが。ここでも3つほどちょっと紹介したいと思います。長江の波が感じられたり、家宝も思わず心洗われるよい作文で、中国の良いものが籠もっていると思います。

<ことわざ>から

‘長江は後ろの波が前の波を押し流す’ということわざは、よく年配者が後輩を褒める時に使われています。
このことわざは元朝の時代に作られたそうです。なぜこのことわざが愛されるのでしょうか。長江は中国の一番長い川で、川幅も広くてとても立派です。長江の水は,前に進み続け、止どまることはありません。そして、前の波が運ばれると、すぐ後ろの波がやって行きます。だから、世の中は新しい世代が古い世代にとって変わるという意味があります。
 でも、このことわざを使う時、言う方は相手の才能を感心すると同時に、少し沈んだ気持ちもあります。自分が時代に後ろに放り込まれた感じがするからです。(華中科技大学日本語学科二年生賀亜男)

<我が家の家宝>から
最も美しい家宝
長い歴史がある中国には、家に代々伝えられる習慣がたくさんあります。特に、婚家のお母さんが息子の妻に家宝をあげたり、あるいは、自分のお母さんが娘に家宝をあげることがよくあります。あげる品物は、中国の伝統的なアクセサリー、例えば、指輪や玉の腕輪やネックレスなど、様々です。
隣家では、たくさん華やかなチャイナドレスを家宝として持っているお婆さんが、自分の孫娘が結婚する時に最もきれいなのをあげました。あのお婆さんは中華民国の時代に裁縫をしていて、旧時代には両親の命令で自分が全然知らない男性と結婚させられました。だから、あのチャイナドレスにはお婆さんが孫娘が愛している人と結婚し、自由な愛情と幸せを追い求めてねという願いが込められています。私はあのチャイナドレスが最も美しい家宝だとおもいます。  (華中科技大学日本語学科二年生  沈慧玲)
  
わが家の家宝 
遺産というものは、先祖から代々伝えられ、子孫たちがそれを守って行くものだと思います。
私の家族には、物としての家宝はありませんが、“何があっても、本を捨ててはいけない”という精神を家宝として、代々伝えています。
先祖は清王朝の時、举人になって、翰林院で働いたことがありました。その時から、その家訓が伝えてきました。本を読むのは、官吏になるためではなく、心を浄化するためです。本を読まないと、愚かな人になるかもしれません。どんな時代でも、どんな所でも、本だけはいつも変わりません。人の心を鎮め、人に知恵を与えます。

私の家族には、農民もいます。教師もいます。都市に働きに行った人でもいい、山の中で生活している人でもいい、みんな本をたくさん読みました。ほかの人と比べて、同じように見えますが、私たちが自分で知っています。心の中に違いがあります。
これがわが家の家宝です、子孫たちが守っていくものです、私もこれから、その精神を守って、生きていきます。(華中科技大学日本語学科二年生胡舒萍)

地球ラジオ 放送は1週間こちらで聞けます。 http://www.nhk.or.jp/gr/streaming/

わたしはこれからオープンキャンパスデー、日本語学科ブースで浴衣着せ係です。ふぅ。