秋の日とおまけのはなし

mklasohi2012-11-04

北京は雪が降ったようですが武漢では、昨日の雨が樹木や、空を洗って、秋の日の美しい一日になりました。

わたしは「自然のこども」なのでお天気がよいだけですごし元気になります。空を見れば少し心が軽くなり、水に反射する光、木々の色を変える風、足元の小さき花のいのちにわくわくしたりします。


さて、「おまけ」のはなし。
実は、中国の市場では、「もっと買って」と余計に乗っけられお金を取られることがあってもおまけってあまりしてもらえません。ところがこの間、チンゲン菜を買った時、おばさんが袋の片隅に小葱を一本すっと差し込んだのです。いかにもおまけという感じで。小さな小さな一本の「小葱」。


そして話は昨年のTV番組のこと、イギリスの「タレントショー」でスーザン・ボイルさんが美声を聞かせて世の中を驚かせたごとく、中国版タレントショー「達人秀」で56歳の市場の野菜売りのおばさん「菜花甜媽(菜の花かあさん)」が「トゥーランドット」の名曲『誰も寝てはならぬ』を歌いあげ話題になりました。それは美声もさることながら、パパロッティの歌うこの曲を歌詞がわからないからと、市場で売られている食べ物や野菜の名前を並べて歌いあげたことにもある。

つまり、「鶏の足、手羽先♪、アヒルの足、アヒル手羽〜、にんじん、トマトそして大葱〜♪…早く買いに来て〜、小葱あげる〜、あげる小葱〜♪」とおわる。歌の題名も『送你葱(葱をあげる)』


初めて聞いた時には、野菜づくしの歌だとぐらいにしか感じなかったが、先週市場で、ひっそりとおばさんが小さい葱を入れてくれたことから、あ、っとつながった。「送你葱」とは「葱をおまけするよ」ということ。


そしてまた先週TVをつけて仕事をしていたら、この「菜の花かあさん」がTVで歌っていた。昨年の番組をきっかけに、有名な先生にもついて声学を習い、あちこちで歌っているということ。今回は「中国母さん」という中国の歌だったが、それは「葱をあげる」より、一段と磨きあげられ高音が伸び、素晴らしい歌声だった。

中高年が大学に合格して、「若者の邪魔をするな」と言われる社会だが、菜の花母さんがそういう人の目を変えるといいなと思う。

ところで、「送る」でいえば、「送鐘(時計を送る)」は、「送終(最後を看とること)」と同じ音になり、時計をプレゼントすることは忌まれています。中国の人には時計(置時計)をプレゼントしないようにしましょう。腕時計は「(手)表」といいますからまた別ですが。