記憶の中へもう一枚

雨の中、会場の建築学部へと急いでいたら、図書館の横を通りかかって、思わず、「わっ」と声をあげた。
そして、しばし唖然と、シャッターを押した。中ソ友好の残した大学の中に残るいくつかの建物がまた一つ消えて行こうとしている。老図書館と呼ぶその建物、後ろ半分が瓦礫。

昨年11月に書庫に行くと、学術雑誌全部包んでしまったところだよ、建物取り壊すから、とおじさんたちから言われた。
が、こうして取り壊してしまうことに現実味を持っていなかった。

今年は開校60周年ということで、ほかにも記念館などが建築中だ。多くの学生たちに知識を与えてきた巨人も時代になのか、民族性のゆえなのか、誰かの思いつきなのか。
そういうものの前に消えていくしかないようだ。