藕断糸連(オウドアンスーリエン)

mklasohi2012-04-05

昨日は清明節当日だけあって、窓の外で、死銭を焼いて、それを跨いで入ってくる人たちを見かけた。きっと革命烈士或いは大学ゆかりの人物のお墓参りを終え、帰ってきた人たちだろう。大きな声で「清明時節、雨紛紛」と大声で言う人の声も聞こえた。

3月末まで忙しかった分、わたしは、のんびりたまっていたメールを片付けたり、夜は学生たちとの約束で料理を作り映画を見に行った。

貸し部屋ビジネス
クッキングは日本語の教科書にも載っている「親子どんぶり作り」。
食べたい〜と学生たちが言い続けてきた。今まで、こうした活動は私の部屋を開放していたが、昨日は、2年の班長さんたちが、寮の前の掲示板で見つけてきたと言って、貸し部屋を借りてやることになった。大学の対面、光谷(オプチカルバレー)に立った高層マンション群のひとつの棟にある一室。
貸出料一時間70元、4時間借りて280元だそうだ。全寮制で、食事を作るスペースもない学生相手の「ニュービジネス」だ。台所、ダイニングがあり、リビングは大きなビリアード台が置かれ、それ以外に部屋が2つあって、一つはカラオケボックス、一つはパソコンでも遊べ、中国人の学生たちが遊ぶための設備が整っている。ダイニング横のバルコニーには防御ガラスもなく、26階バルコニーから眺めるにはちょっと足も竦んだし、学生たちが出ると「気をつけて〜」と連呼した。

料理は、わたしの親子丼、お味噌汁(14人分)、貴公子Z君の作った豚肉とシメジのスープ(絶品!)、豆腐と鶏肉の炒め煮、Gさんの鯉の蒸しもの、蓮根の炒め物、苦瓜と卵、えのきのトウガラシ蒸し、女子学生の作った苺のお菓子?などなど。皆お腹いっぱい。Z君の料理のうまさには驚いた。こういう旦那さんを持つ人は幸せね〜。


 
次の予定・8時25分から香港映画観賞の時間が迫って来たので、みんなに号令をかけ片付けようとしたとき、一番奥の部屋に見かけぬ人物2人がぬっと現れた。20十代後半ぐらいで、この貸し部屋の主夫婦なのだそうだ。

高層マンションの1室だから不思議ではないが、実はここに住んでいて時間貸しするために自分たちは奥に目立たぬよういたのだ。お金のためとはいえ、パーソナルスペースをおまるまる放出するのって...。日本の民宿の濃いバージョンと思えばいいのかな?

台所、ダイニングなどの掃除もばっちり済ませて、2陣に分かれて、映画館に向った。

Love in the buff
映画館は貸室から歩いて5分程度、光谷の一大モールの中のシネコン。飲み物を買って、事前に良い席のチケットを班長さんがみんなの分買っておいてくれていたので、真ん中の席に2列で男女ほぼ半々並んだ。
見たのは香港映画「Love in the buff(春嬌と志明)2」というラブコメディ―で中国ツイッター「微博」でも今旬の映画として話題になっている。広東語版が見たいか、中国語版かという調査では9割が「広東語でみたい」と答えている。
 
だからか見たのは広東語に中国語字幕版。最初どうも戸惑ったけれど、だんだんと恋のさやあてのおしゃれな世界に引き込まれ、かつロマンチックな台詞に後ろの女子学生たちは「わぁ〜」とため息を漏らすし、キスシーンや胸の露わな格好の女優さんには隣のL君たち男子が非難の舌打ちをしたりするので、心底楽しんでいる若者らしい反応を聞くのも、結末も爽やかで楽しめました。

L君、外見高校生のようで可愛いのですが、ネット名に自ら「L叔父さん」付けているように、優しく頼もしい学生。見終わってすでに10時半。皆で徹夜カラオケに行くというので、徹夜に付き合う体力もないし、普段勉強漬の彼らの息抜き、遠慮させてもらうことにした。「徹夜して某先生の授業に行くことは黙っておいてくださいね」とL叔父君。
一人で帰れるというのに、夜が遅いからと大学の門まで送ってきてくれ、15分かけてみんなのところへ戻って行った。女性はやっぱり優しさが嬉しいですね!

さて、映画のテーマは中国の成語でいえば「藕断糸連」レンコンは切っても、糸が繋がっている、つまり「別れても好きな人」ということ。

Gさんの作ったレンコンの炒めもおいしかった。ごちそうさまでした!