遠吠えのような

mklasohi2012-04-02

今日から清明節の三連休です。そのため昨日は振り替え授業を4時間したあと、武漢大留学生の方に誘っていただいて、「夜桜」見物をしてきました。帰りはバス、タクシーが来なくて2時間かかり帰りついたら11時を越えていました。

その留学生の方とはツイッターでフォローしてくださったのがきっかけ。学生たちの作る例文や、発表でもSNSの時代の到来を感じますが、facebookは知り合いの人との語りあえる場、ツイッターは見知らぬ人と出会う、そういう違いがあるように思います。


さて、少し時間ができたので音楽を。尭十三瞎子という武漢の歌い手さんの「雨霖鈴」。「尭十三瞎子」は子どもの頃の呼び名だそうです。これが実は貴州織金方言で歌われている民謡フォーク。
尭十三さんは貴州出身で武漢大学医学部の学生。そして味わい深いのが歌詞の元になっているのが宋時代の柳詠の詞「雨霖鈴」なのです。

宋詞も歌われたものと言いますが、こんな遠吠えのような民謡フォークであったはずはなく、いまの時代にこうして生まれ変わったことがとても面白いです。なかなか心にしみる歌ですので、ぜひお聞きにになってくださいね。こちら

この貴州織金方言版の歌詞を試みに訳しておきたいと思います。

「秋蝉がないてるよぉ、おれは東屋のところ 雨は降りやんだばかり 酒さえ飲めないよぉ 別れ難くってさぁ 船頭さんは 早く行けっていうけど 手を握って、あんたの目に涙が溢れてるのを見るとさぁ、なんにも言えねぇ 
何にも言えねえでさぁ 行くよって言おうとしたら、千里の行き先、曇ってさぁ、波もあって 真黒な空が、とてつもなくでけぇよう/
家こと話すけど 別れが、いちばん辛いもんだよ それをいうのってのはもっとさ 今は秋じゃんか  酒が醒めてくりゃ  柳や岸辺 風がひと吹き お月さんが明るいだろうさ これで行ってしまえば 何年も帰ってこれねぇ
きれいな娘も 俺の周りにはいなくなるさね 
がんばってみて、また歌おう 心を打ち明ける人さえないだろうね、そのときは」

宋詞「雨霖鈴」の朗読はこちら

こうした替え歌が起きることが中国文化の伝統の一つだと見ています。面白いですねぇ。
おぅ〜、おぅ(遠吠え)