「建党偉業」

mklasohi2011-06-19

雨の夜の昨夜、新聞記者のYJ君と映画に行ってきた。私の一時帰国も近づき、顔を見に来てくれる意味もあり、大雨の中、漢陽へ取材に行って、渋滞に巻き込まれへとへとで社に戻り記事を書きあげ、夜8時40分の回にタクシーを飛ばして来てくれたのだ。
なんだか、わがままなガールフレンドの無理を聞いてくれる男の子みたい(笑)で、優しさに感動。
映画代は一人70元だが、「恋人セット」だとポップコーン(甘い)とコーラ2つ(デカイ)がついて115元。男同士2人で行っても恋人セットを選ぶしかないから、このネーミングどうななの?と思いつつ…。

見た映画は共産党90周年を記念して作られた韓三平監督「建党偉業」。6月15日に封切られたばかりだ。
気楽に「カンフーパンダ2」でもという案もありつつ、今年はやっぱりこれでなきゃ、とYJ君。評判は「一般般(ふつう)ですよ」ということだったが、辛亥革命が終わった1911年から党が毛沢東たちによって結成された1921年までの風雲の時代が描かれ、歴史や人々に思いをはせながら1月ぶりの中国の映画館の大画面で見るのは楽しかった。

この映画の特徴は共産党のためのトリビュートものであること。つまり「ウイアーザコミュニストパーティ」。100人もの有名俳優や歌手たちが、毛沢東周恩来といった人を演じている。そういう意味で「スターによる啓蒙絵本」の感がある。周潤発(チョウ・ユンファ)の袁世凱、コメディアン趙本山の段祺瑞、台湾の歌手王力宏の北京大生羅家倫などなど、よせ鍋状態で、それだけでもなかなか楽しめます。公式サイトはこちら

上映中、隣の女の子がずっと彼氏に、人名の難しい漢字をあれ何て読むのと尋ねたり、だれだっけこの人などなどしゃべりっぱなしだったので、私も隣のYJ君に同じように質問しやすかった(笑)。日本の映画館だと咳払いもので、写真撮影なんてもってのほかほか。

個人的にはこれほどの豪華キャストながら、やはり本物の100人の方がもっと魅力的だったろうと思わずにはいられなかった。命を賭しての生き方ですもの。

アンディラウの演じる蔡鍔が夜の駅で北京一の妓女であった恋人と別れるとき、「わが身は国に捧げたものだ」と言って涙します。そういうドラマが各地であり、様々な側面から物語ることができるはずですね。
また、この中国を率いる共産党の第一回大会がたった12人の集まりから始まったということは、不思議でもあり、人を元気づけもします。無力感を感じる現代の若者よ、多くの人のことを考えよ、行動せよと。
上海のフランス租界址にあるこの第一回党大会記念館の前には何回か行ったことがありますが、中国にボルシェビキを、農民労働者の団結をと若き血潮をたぎらせていた人たちが夢を語ったその場所は今や観光地新天地の傍らです。この冬、第5回大会址(武漢にあり)には友人と行きました。

さて、さて、それからこの国がどのように動いて行くのか…。2021年の100年の理想は何か…、祈りを込めて見続けたいものです。



おまけの写真は、これからの映画のポスターなど。

日照りのあと降り続いた大雨が今日はやっとやみました。