手をつなぐぐらいでいい

mklasohi2011-06-13

研究の方も一つ論文が発表できたのですが、日本語を教える仕事、今学期最終日の今日は、少しいい仕事ができたかなぁと…。

2年生の会話のテーマは「同性愛」。今日、やりますと言ってあったが、男子学生などからえ~とかや~という声が上がっていた。
「一緒に買いに行ったテキストにあるんですもの、なにか?」
まず、4人のグループワークでディスカッション。身近では?、TVや映画でどのように描かれているか、など。中国では李安監督の「ブロークバックマウンテン」とか、日本のアニメぐらいしか、認識にない、そんな話の後、

ある学生が前に出て、「この人たちは普通の人ではないから…」と。
わ〜○○さん、テキストの本文に「現在の国際精神医学会やWHOでは、同性愛を「異常」「倒錯」「変態」とはみなさず、治療の対象から外しています」とありますよ。中国全土には3000万人と言われる人たちは?と。
う、うううん。

わたしは準備しておいた、日本の芸能界で活躍する方々の写真を見せ、その後、中村中さんの「友達の詩」を聞いてもらった。教室の大きなスクリーンで、まずは説明なしで。つぎに歌詞のこととご本人のことを告げると、みんなえ~っと。そしてもう一度。


手をつなぐぐらいでいい 並んで歩くくらいでいい それすら危ういから 大切な人は友達くらいでいい


皆、目を大きく開いて聴き、聞き終わると「ハオ、カンドンア」感動したぁ。。。という声が漏れた。
私自身、この歌を数年前の紅白で聞いた時、「同性愛の辛さ」がこうなのかと教えてもらった。歌声と歌詞はみんなの心にまっすぐに届いたようだ。中村さんがこの歌を作り、歌ってくださってよかった。おそらく、学生たちの3000万人の方たちを見る目が変わったでしょう。

ときに、パラダイムの変化にいあわせる。それも日本語教師の醍醐味の一つです。