不思議な物語とホットアップルジュース

昨日授業が終わってから、久しぶりに鍼を打ちにいった。寒い時は胃も痛くなりやすいと、胃、腎の保養というのをやってもらった。
横になりながら、隣のひとの話声に耳を傾ける。


うちの会社の人が昨日なくなったのよ。突然。まだ40歳なのよ。それがなんとも妙な話で、おとといその人のお婆さんがなくなって、昨日の朝は、お葬式。火葬して戻って来て、お昼ごろ急に気分が悪いっていうから、病院に行くことになって、そしてその途中、車の中で心臓が止まって、一応病院で見たけれど、その時はもうだめだったていうの。奥さんはまだ30歳にならない若さ、こどもだって小さいのよ。会社のひとみんな同じぐらいの年だからみんなとってもショックで。原因だってよくわからないんだから、まったく、なんなのか…突然で。


       

武漢訛りで、こちらもうつ伏せのまな板の鯉状態だから、聞き取りにくいが、あの人この人にいう話で2回聞いたからわかるし、そのショックも伝わってきた。
女医さんは「人の死」に慣れているのだろう、「じゃ、おばあさんが連れて行ってしまったんだ。一番のお気に入りだったのじゃない」と。
エステティシャンのお姉さんは、若いし、お客さんだから同情的、同調的。「人生もまだまだ、人としての義務も任務も果たしてないじゃないですか」。
語り終えられないお客さんの言葉は「一番かわいそうなのは、ご両親よ。お婆さんがなくなったと思ったら、大事な一人息子を亡くしてしまったんだから…」と続く。

聞いていて、ぼんやりと費解(フェイジエ)という言葉を思い出していた。
もとは、古文の辞句の理解が難しいことを意味する。こんな文章もある。昨年流行った一日一冏」の中では、「わけがわからない(ワケワカ)」という意味で印象的に使われていた。アンディ・ラウの歌にもあって「フェイガイ」のように発音し、叫んでいるから、広東語語彙にもあるということ。

と、言葉の問題にそれたが、
つまり「其原因費解。(その死せる理由がわからない、理解に苦しむ)」ということ。

人生にはいろいろな不条理が立ちあらわれ人を悩ませるが、このご家族に突然襲ってきた不条理は、「解」がなかなかみつからないだろう。女医さんは「たぶん心筋梗塞」と言っていた。だがそれは原因であって、理由ではない。

私が最近抱えた謎などはそれに比べると大した問題ではないと思えてきた…。



ところでドバイスによれば冬の胃の痛みには暖かいジュースがよいそうだ。りんごジュースを買ってシナモンをいれて暖ったかくして飲もうかな。
自分をしっかり温め、健康にすごさなければ。


菊の写真は2週間ぐらい前にとったもの。
菊投げ入れよ…。