繍紅旗

線児長、針児密。含着熱涙、繍紅旗。繍呀、繍紅旗…♪ (糸は長く 針は密に、 熱き涙をためながら、紅旗を刺繍する、刺繍する…)

これは革命歌劇「江姐」の中の歌の歌詞です。革命烈士「江姐」は実在の人物でかなり辛い刑で命を落とした人らしい。投獄され、獄中で仲間たちと新中国成立の知らせを聞く。そして実物を見たことがない紅旗を、ただ大きな星の周りに4つの星が取り囲む形に刺繍していく。

映画、ドラマ、京劇、舞踊などと様々なバージョンがあって、それぞれ節回しが違う。中国にお住まいの方はこちらで色々ご覧ください。
。日本の方も新浪でなら、多分お聞きになれるかな。


私のこの晩秋の新しい出来事は、歌を習っていること。10回コースなので12月初めには終了。先生は2人のソプラノ声楽家で発声から教えてくださる。生徒もこの大学の先生たち20名ほど。人の行動にはそれなりに深いわけが…って、実はそんなに深いわけでもない(笑)。今週の歌はこれ「繍紅旗」だった。

初めてこの曲を聞いたのは2年ぐらい前で、大学京劇大会を見に行って、若い女性たちが切々と歌いながら紅旗を縫うのがとてもとても印象的だった。
私がならったのは原曲だが、それにしても中国の歌の音の高いこと、高いこと。

とくに革命歌に興味があったわけではないが、この歌を歌いながら、命がけで身を投じて捕えられ、涙ながらに死んでいった人の気持ちを想像するぐらいはできる。歌詞は「悲しみであるより、寧ろ喜びだ」と続く。
この精神の強さ、潔さがなんとはなしのこの歌の救いです。