ときの雫

mklasohi2009-05-27

授業から戻ると、宿舎の奥からふんわり粽の葉の好い香が漂ってきた。服務員さんたちが一足早く茹でた粽で端午の節句を祝っているようだった。
1年生のクラス委員からも「端午の節句おめでとうございます」といって大きな粽をもらった。さっそく晩御飯に食べた。
こんな伝統行事を「分かち合う気持ち」がこの国のよいとところ。

明日から3日間ほど端午節休暇。が、博士の友人(先輩)の答弁会やら友人からの食事のお誘いやらもあり嬉しいけど、何だか忙しそう。
梅雨のような雨が降り続いていて、私の出力も落ちている。ぼんやりして何もしたくない。実は私はかなり自然の子。

昨日は授業のあと、雨の中キャンパスを用事で東へ西へ1万歩あるいただけで、午後、横になったらそのまま3-4時間も眠ってしまった。中国に来てから、多くの土地の人同様少し横になる習慣がついたとはいえ、いつもはせいぜい20分程度できりりと起きあがる。半年に一度ぐらいだろう、窓の外の雨空を布団に、ぐっすりと眠りにおちてしまった。

おとといの夜、東北大学に留学したk君が国語学教室の授業資料を送ってくれ、自分の大学院の授業の参考にと夜遅くまで見ていたせいもある。
あるいはもしか、タイの中国語教師派遣から戻った楊君が買ってきてくれたドリアンのせいかもしれない。この時期しか採れない果物だそうだ。
タイの村で見た蛍の話もしてくれた。それは楊君のめくるめくタイ体験の開始から1年が経ってしまったという意味でもある。


楽しいことも悲しいことも歳月は人をまたず。


雨の日のほの暗い深緑のなかに夕顔の君のごとき花の翳が白く滲む。
時は同じ時間をチクタク一人で歩いて行ってしまうものだ。