休日の使い方

mklasohi2009-05-04

休日3日目の昨日中国人のお友達と黄鶴楼のお膝元の街、司門口一帯を散歩した。
武昌の街も1か月歩かないと、まるで間違い探しの絵ようにどこかが変わっている。

もとはと言えば去年新聞で読んだ司門口の服装美術館と、修復された曇華林に行きたかったからだが、友人の提案で、閲馬場でバスを降り、まずは臙脂路に向かった。きたばかりのころは、露天のお土産物屋や小さな店がならんで、トンネルの向こうには怖くて行けなかった。

両側がすっかり取り壊されて、駐車場になり、やけに明るい道になりつまらない。
何かがどんどん失われていく街に暮らす。

臙脂路は仕立て屋さんが軒を並べている。艶っぽい由来の町かと思っていたが、武漢の新聞によれば、こうした通りになったのは1970年代からのことで、その前は西欧建築や教会があり、辛亥革命の功績のあった人などの住む高級住宅地で、孫文も視察でこの辺に泊まったと書いてある。

臙脂路に垂直に伸びる曇華林という一帯が保存修復が進んでるという記事も、また昨年新聞で読み行ってみたいと思っていた。
全体としては上海の多倫の雰囲気とよく似ている。スイスの教会区があった小区は青島を思いださせる。1890年代から遠く海を渡って、こんな中国内陸までやってきた宣教師たちの声が響いたであろう建物。今はあまり裕福でない人たちが雑に住んで、どの家もおおらかに洗濯物が干してある。



小さい狆の雑種がしっぽを振って寄ってくる。犬と緑の五月とバラの花はその時代の人たちにも愛されただろう。





そこから、また小路をぐるぐると歩いて、司門口バス停の先の賑やかな交差点にあるMETERSBONWEの5階服装美術館に寄った。
4階までは若者ファッションのフロアーなので、知らなければ5階にそんな展示室があるとは誰も気がつかないだろう。主に清朝の貴族の日常着や礼服、それから少数民族の手の込んだ衣装などが展示してある。
 美術館のコンパニオンのお姉さんが、殆ど監視のように私たちについて回らなければ綺麗な刺繍の衣装を写真を撮ったかもしれないけど、中国は性悪説が前提で物事が運営されているように思う。
規模の小さな美術館ですが、年中無休、無料なので司門口に行かれたときは立ち寄ってみられてはいかがでしょうか
(写真は臙脂路の街角にあったチーパオの美女の画)


 美特斯邦威服装美術館 METERSBONWE COSTUME MUSEUM 027-8544-9780 
武漢市武昌区解放路458号5階(美特斯邦威旗艦店)10:00 -22:00



まだ日も明るかったので、そのまま長江の見える臨江大道まで歩いた。

お天気がよくよい長江を見ることができた。


そこからまた夕食の場所を探して戸部巷を過ぎて真っ暗。全行程4-5時間、殆ど休むこともなく歩きまわった。


戸部巷も修復保存が進んでいることは知っていたが、その保存の仕方に驚いた。きっとこれで観光客は増えるだろう。けれど、かなり何かを通りこしてしまったような気がする。大雑把なそれらしさの古い街。日本人の修復の仕方とは違うように思う。もう一つ昔そのままを残そうという心意気がかけていると思う。波止場町、洗練されない内陸の国際都市、神秘な武漢は消えてゆくのか…。

けれど休日の使い方としては悪くなかったですね。