今年の桜

mklasohi2009-03-22


たれこめて春の行方を知らぬもなほあはれに情深しと思いつつ、桜が咲いたと聞けば、やはり今年の桜はと眺めたくなるのが日本人の心。
武漢客員教授のY先生に「早く来ないともう終わってしまいますよ」とお誘いいただいたので、見に行ってきた。
やはり桜はしっくりと目に沁みて心を輝かす。
Y先生はアルゼンチン大使も務められた方だが、御年を聞けば、来年80歳になられるとのこと。いろいろご質問を受けたりする中にも、深い洞察と、楽観的に信じる強さ柔らかさが春の波打ち際のようにひたひた伝わってくる。そして
「昔は、あと何回の桜かな、と思ったのですが、このくらいの年になると不思議とあと何回と思わなくなるんですよ。」と。


そうなのか。日本人にとって、桜は「今年の桜は」と思い、あと何回と、私もいつの間にか思うようになった。それを越えるとまた思わなくなる…。
桜の味わいと年をとることの味わい。きっと毎年年をとりながら、振り返って噛みしめてみることだろう。



ああ、さて。おかげさまで今年の花も記憶に残るものになりました。