このひとを探して?

午後4時間の授業を終えてさて、家に戻ろうとしたら、1年生のある学生から友だちがインタビューをしたいことがあるからお願いできるかと言ってきた。ちょっと先をいそいでいたけれどいいですよと答えるとドイツ語学科の女子学生が入ってきた。
聞けば、明日は「雷鋒日(レイフォンデー)」。日本の雷鋒に当たる人物について、教えてくれないかということ。
雷鋒とは1940年湖南省生まれ、7歳で孤児になり、その後人民解放軍、そして中国共産党に入り、有限の命を人民のために尽くし「模範青共員」に選ばれながら、22歳で殉職したとある。亡くなってから日記に毛沢東の著作を一生懸命勉強していたことが書かれていて、63年に毛沢東が「雷鋒に学べ」とのアピールを人民日報に出して有名になった。

武漢のタクシーにさえ「雷鋒号」というのがあるぐらいだから、現代にも模範的人物代名詞的な扱いを受けていることは知っていたが、「雷鋒日(レイフォンデー)」なるものまであるとは知らなかった。しかも大学生による活動まであるとは。

雷鋒のような人と突然問われて困った。
とりあえず、思ったままに、日本は自由主義の国なのであまり誰か一人を全国的に模範人物として扱うことはまずない、比較的どんな人もまじめに働くし、全ての点で優れた超人はいないのだから。うーむ、どこの小学校にでも彫像があるのは二宮金次郎さん、背中に薪を背負って勉強し農学者になった。個人的には開国前夜に活躍して開国を見ることなく死んでいった坂本竜馬が好きだけれど、あなたの言うような人民のために犠牲になる精神で…となるとなぁ…、夫の麻酔薬の実験に協力して失明した、華岡青洲の妻などの人はいますが…(姑との意地の戦いのように小説では書かれていたなぁ)…、他に思いついたらまたお返事しますね、といって別れた。

さて、皆さんでしたら、誰を「日本の雷鋒」に選びますか?

写真は中国版ウィキベディアのような百度にあった写真。雷鋒といえば、兵隊防寒帽に銃剣を持った写真が有名だけれど、武漢の一橋をバックにチーズなんて写真あったんですねぇ。うふふ。