1年たったんだ。

いつまでもかまどの暑さでゆで卵の私。夜の帳が下りる頃にはやっと涼しくなる。
夜、指導教官のサロンがあり、修士、博士ほぼ全員揃って自己紹介。サロンというのは、日本のゼミみたいなもので、論文の中間発表だったり、一人が選んだ論文について議論しあったりというもの。先学期は先生の出張が多く殆ど開かれなかった。
窓の外の暗い夜の森へ目をやりながら、ふと、指導教官C教授の濃い湖北省訛りが聞き取れるようになっていることに気づいた。1年半前、聴講に言ったときは、湖北以外の中国人の学生もよく聞き取れないと言っていたし、黒板の字は草書で読めない、話は難解と、まして況や外国人の私はとその授業は1ヶ月でやめた。あらら、いつの間にか…。
ひとつの進歩でもこの年になると際立つことはあまりないから…一年経ったんだなぁと思う。
観察、発見の収集以外に成果と問われれば苦しいが、1年で学んだことは自分の中国滞在をすこし豊かにもしていると思う。2年目はもう一歩踏み込んで焦点を絞っていけるようにしたい。うふふ、ふつうに前向き。


…夜。静かな夜に身を任せて、このまま眠りたい。