夏の計画

試験が終わり次第次々と夏休みに入っていく。武漢はすっかり真夏。昼休みにはハンモックを吊るして寝ている人も。
風に吹かれて木陰で本を読んでいると、おばあさんが話しかけてきた。お年寄りは好奇心が強くて親切な人も多い。ものすごい訛りなので、最初「は?」だったが、よく聞くと「そこはお日様が当たって、暑いやろから、もっとこっちに座ったらいいんに」という感じ。袖なし、ズボン、布靴、芭蕉の団扇。夏のお年寄り4種の神器?
おばあさんは武漢人ですかと聞くとわたしゃ、○○のハンダン、と。武漢の訛りもあるけれど聞きなれない音。あんたは?と聞かれたので、日本人だというと、へぇ、わからんねぇ、日本人と中国人は同じようやねぇ。と言いつつしっかり「私が若いとき、日本軍は東北部を侵略し、南京では数十万の人を殺したね。その後武漢にもやってきたけど、武漢はまだましやった。」と。その一方で、またお日さんがそっちに来たからもうちっとこっちに座んなさいと、日焼けを気にしてくれる。
74歳、子どもは男2人、女一人。1961年にご主人が亡くなって40年、政府の補助とこの大学食堂でご飯を作って子ども3人を育てたそうだ。中国の大学はいわゆる「単位」だから教員だけでなく、職員も大学で一生暮らせる。いまは娘さん家族と暮らして、毎日あそんどる、と。嬉しそうに「北京には2回行った。一回は退職するときの食堂の慰安旅行…」と話してくれた。文字は書けん、名前だけさ、と。
おばあさんと話す間、言われるままに向日葵とは反対回りで3回席を移した。
この夏何人の人と話せるかな。今年はゲストハウス代を外事所が半分もってくれると言うので、宿題などをまとめつつ5輪の開会式を武漢で見、その後10日間ほど帰国しようと考え中。そしてたまには外に出て、中国3大かまどの夏を味わいながら散歩、武漢の人たちといろいろ言葉を交わしたい。フィールドワークとは言わないけれど。これがこの夏の計画。