喪服のTV

3日間の哀悼の日ということで、どのチャンネルもほぼ同じ番組、哀悼、黒い喪服のアナウンサーだ。黒々とした画面。国を挙げてのお葬式なのだと私の目には映る。
昨日は「初七日」ということで、地震発生時刻に3分間の黙祷が行われた。おそらく10億以上の人が一斉に黙祷しただろう。私はたまたま裏山に登って眺めていた。学生からの頼まれごとをせっかくの休みなのだから彼女たちと一緒に緑の風に吹かれながらでもと、山の上にいた。サイレンが鳴り響いて、山の上の私たちも、目を閉じ、頭を垂れた。私は、最近さまざま起った何か呑み込みがたい思いに涙を流した。この複雑な思いを正確に理解できる学生は一人もいないだろう。
また助けられることなく、亡くなった人を悼んでいるのは「同胞」だけではない。朝起きて、ふと金子みすずの詩を思い出した。不謹慎と採られる方もあるかもしれないが、人もまた鰮。たぶん地震のことはもう書かない。

大漁

   朝焼小焼だ 大漁だ
   大羽鰮の 大漁だ

   浜は祭りの ようだけど 
   海のなかでは 何万の 
   鰮のとむらい するだろう