ときはなつ

mklasohi2008-05-10

聖火がエベレスト山に到達する一方で、私は湖を覆い始める霧のようなものに取り囲まれる。晴れやかであるはずの今年の中国の重層構造の中にある魍魎。それがいろんなところでひょいと顔を出して私を打とうとする。負けもせず争いもせずバランスをとりながら暮らしていく日々はあらゆることを放り出して、自分を休める時間も必要だ。夜、授業のあと、自転車を走らせて樹木の出す香りをかぐこと、土曜日のベッドでぼんやり本を眺めたり、何かを考えたり、また眠くなると寝ること、あるいは散歩に出ること…。
この小さな体一つで、いくつかの形の攻防の間に立って、じっと耳を傾け静かに考え、一人耐えている時もある。生来の楽天家が幸いしているが、埃を払っていかなければ…。
涼しい青空の土曜日の午後は心の自然がおもむくまま湖の方へでも自転車でも走らせたい。
夕闇の踊り、風の歌、伸び始めた蓮の葉を照らす赤い灯篭…そんなものを見つけに。