時間の旅

mklasohi2007-06-02

昨日は、日本の留学から戻った0先生とお昼に教材作りのことで相談、その後、自転車に乗って、A先生宅に3月に生まれた赤ちゃんを見に行った。日本からお祝いを買ってきていたが、時間がとれずに持っていけなかった。ぼやぼやしていると半袖ベビー服が小さくなっちゃう。それに6月1日は中国の「こどもの日」。0先生からはあんな遠くへは無理ですよと言われながら、片道1時間15分の自転車の旅、章さんと2台連ねて走った。
 午前中、空気が漏れてぺったんこのタイヤを直してもらいに自転車やさんに寄り、チューブにパッチを当てもらって1元(17円)。安い、けどまたすぐどっかが壊れる。午後、走り出したとたん、右ブレーキがボリッと音と立てて取れた。
 民族大道の初めて行く自転車やさんに寄って木陰で章さんと2人アイスを食べながら待った。12元。新車は盗まれるから50元で買った自転車だが、もう60元以上つぎこんでいる。少し遅れますとメールする。
A先生のお宅は2度目。一度目は寒い時期だった。湯遜湖という湖のそばの高級マンション、高級邸宅も立ち並んでいる。マンションの庭で家庭菜園をしている人もあり、きゅうりの小さい花が可愛い。
赤ちゃんの名前はイーファン(軼凡)。りりしい男子漢。「凡人に軼(す)ぎ(超える)て、亦、凡人」という意味(軼と亦は同じ発音)だそうだ。先日、シリア人教師夫妻の友人宅に4月に生まれた赤ちゃんを見にいったが、彼はOBANオーバン君。中国語も堪能のシリア人ご主人が良い漢字を付けたいとおっしゃっていた。イーファンとオーバン、金の豚年(金猪年)のニューフェイスたち。彼らが成人する20年後のシリアと中国、日本はどうなっているのかな。遠い目。
 生まれてくる人、この世を辞していく人。5月の13日には紅楼夢の林黛玉を演じた女優さん陳暁旭さんが惜しくも42歳の若さで亡くなった。出家から約3ヶ月のことだった。北京ではもうすぐ2代目林黛玉のオーディションが終わる。
湯遜湖から自転車での帰り道、古い建物が取り壊されているのに出くわした。野次馬も出ている。(私も)。貧しいレンガの家々も次々とりこわされては新しく立派なものに立て変えられて行く武漢だが、新しければいいというような考えに悲鳴を上げながら去っていくものもあるような気がする。
夕食は章さんとそのフィアンセと牛鍋店の外のテーブルで牛鍋を食べた。「民工たちも食べている店ですが大丈夫ですか」と聞かれた。確かに仕事を終えた民工のおじさんたちが豪快に牛骨をテーブルにぶちまけて楽しそうに食べている。暑い日に激辛鍋を食べることにも慣れてきた私。
 真っ暗になってから2人の新居となる18階建ての新築高層マンションの一室に案内してもらった。内装がほぼ終了している。約150平米の窓の多い眺めのいい部屋だ。研究者2人が並んで仕事ができる作り付けの長机の前にも見晴らしいのいい窓がある。優秀な人たちの暮らしは住居という点では日本の平均をはるかに凌駕してきている。14階からの夜景を眺めながら、新しいものと古いものの交差に立ち会っているような気がした。