この夜、一つ屋根の下に

誰かを誰かのために犠牲にはしたくない。誰かが「誰かのために」と、そう思ってくれるならいい。私の基本的な考えは変らない。何かイベントを考えるとき、皆それぞれが楽しめること、それを目指している。
今日は約1年ぶりの日本語科忘年パーティ。今年は年を越したので「新年会」と名前を変えてもらった。学生たちの出し物は、歌や、ゲーム、日本語劇。日本側からは、留学生の方たちの美しい歌や、日中両国語による「朋友」の合唱。そして、圧巻は武漢体育学院に留学中のイケメンYさんによる中国武術の披露(かっこいい)。
 日本語劇は、1年生は日本昔話「かぐや姫」を、2年生は中国の古典から「紅楼夢」を演じた。1年生はそれらしい人がその役を演じ、背景の月を見上げて泣くかぐや姫がなかなか観客の方を向かないことが笑いを誘った。
2年生は個性的、このクラスはいつもジェンダーや美醜にこだわるのが嫌いで、恋人同士という設定のタスクでも女の子同士で演じるし、今年の紅楼夢でも光源氏的「宝玉」をZさん、女中役をK君が化粧して演じ、おばあさん役をL君が演じた。この紅楼夢は喜劇仕立てなので、途中途中に笑わせどこ、最後に落ちがあるのだが、それを全て決めるのはC難度。結局、k君・L君の怪しい女装やみんなの演技力に救われた。昨日の午前中2回目の読み合わせをしただけで、よくぞ暗記しきった彼らに拍手を送りたい。
 会にあわせ3年生作文クラスでは新聞を発行した。1年生には、水曜日、会話の試験もあり、検査で厳しい今年は漏洩したとき用にA・B2種類の試験問題も用意しなければならず、授業・検査・試験・シナリオ編集・連絡・新聞・・・超多忙の5日間だった。
 気がつくと去年の2年生がいつの間にか、シニア格のところで歌っている。こんな風に成長を見送っていくのだろう。わが身ひとつは元の身にして・・・。
 今夜一つ屋根の下に集えた皆さんの顔、記憶の底に焼き付けておきたいと思う。