中原に鹿を追わず

中国の真ん中で1人仕事をし、あるいは何かを進めようとするとき、どうしても関門を越えたり、小さい対決を片付けていかねばならず、ふと何かと戦っているような気にもなる。孫子・上策の洗練を理想としつつ(笑)、受ける小さい傷は、身体に少しずつ溜まって、行く道にある小枝を払うことさえ億劫に感じる日もある。怠け者。
「開背(カイベイ)」はそんなとき気持ちがいい。鍼は機械の調整によいと思うが、ただ60本の鍼を5回も刺すと、それはちょっと小さい痛さの経験ともなるので、それでお休み。
肩の荷を下ろして、マッサージをしてもらう。いろんな人から声をかけられる。日本人なんですか。日本の「ムーツントゥオザイ(きむたく)」知っていますよ。日本人の有名人を中国語で言われると、漢字変換に時間がちょっとかかる。「チュアンドゥアンカンチェン」・・・ウーン「川端康成」。
係りのお姉さんも親切で、疲れをほどくにはいい。
うつ伏せになって言う。 中原にちいさな夢を追う、鹿をば追わず。