日本語科研究室ツアー

mklasohi2006-11-28

 このところ気温が下がってお天気の悪かったが、薄日が射してきた。
今週は試験週間。もしも1年生の授業がなかったら、9日間の休みとなり、重慶へでもでも出かけたところだろう。
 日本語科の先生たちの多くが授業がないため余裕。そのため、昨日は研究室上げての武漢一日ツアーで、9時50分に毛沢東像の前にお集まりください、辛亥革命記念館のあとはどこへ行くか決めていませんとだけ言われていた。費用は党からの日本語科への功労金で賄われるということだった。
 最初は武昌、閲馬場にある辛亥革命記念館。私は2度目。1911年10月10日の「武昌蜂起」をきっかけに広がった「辛亥革命」によって清朝の歴史は幕を閉じている。
 数週間前偶然「武昌首義」という連続ドラマのDVDを買っておいたので、前日4話まで見て予習、全32話なので、革命成功への道のりは相当長い(笑)。
 95年前、武昌を取り囲んでいた城壁はとっくの昔に無くなっている。当時この大学などは城壁外の遠い森だ。漢口の租界に、外国人たちが住んでいた頃の賑やかさなどもドラマに再現されている。
 すこし横道にそれるけれど、孫文のみならず、革命同盟会の多くが日本留学経験者であり、いち早く西洋化した日本から「革命」や「幹部、分子、服務」など、今ではいかにも中国語らしい漢字を持ち帰っている。聴講中の「当代文学と西洋文化」では教授が私に気を使ってくださって、当時の日本への留学が無かったら革命は成立しなかっただろうと学生たちの前で強調してくださったことがあった。
 蜂起前夜に捉えられ首を撥ねられる革命党の3人の若者のことがドラマにも出てくるが、名前を一字ずつ取った彭楊劉路という地名が今もあるそうだ。記念館にはその生生しい写真もある。砲火が何度か上がったことは今の武漢からはあまり想像できない。
 その後、漢口で食事、そして、日本のコミックの映画化と言うことで劉徳華(アンディ・ラウ)主演の映画「墨攻」を見ることになった。「墨攻」は墨子の思想、非攻・兼愛をテーマにしていることは分かりやすかった。
 映画代は1人45元で、多くの人が海賊版DVDやダウンロードでみるため、日本と違ってかなり空いる。最後の画面に一年後の梁城王の行方と主人公・革離の後の人生が毛筆文字で現われるのだが、読み終わる前に「歓迎您下一次再来(又のお越しを主待ちしています)」などと言いながら映画館の人が入ってきて掃除をはじめ、ロールが流れ出す前に殆どの人がいなくなってしまう。毎度のことだけど、そのスピードには驚く。これも文化の差。
 夜「漢和・京都」で久しぶりにお寿司などご馳走がでてつい食べ過ぎると、風邪で弱った胃がちょっと文句を言っている。夢の9日間ではないけれど、時間的にはゆとりがあるので、いろんな疲れの解消をしたいと思います。
 戦乱も革命も無い時代に生まれることができただけでも幸運なのだと感じた一日ツアーでした。