愛を語る普通語(プートンホア)

火曜日は朝8時の日本語の授業に始まり、夜9時過ぎの聴講に終わる長い一日。昨夜は先生の特別サービス?9時20分まで長引き、帰宅して授業準備がある身には辛かった。火曜日聴講しているのは「語彙論」と夜の「普通話」。
 中国は広く、方言が大きく分けて10種類、殆ど通じあわない方言も多い。大学にはいろいろな地方出身者がいるので「普通語(プートンホア)」が共通言語となる。管理室の前の壁に「普通語で話しましょう」と呼びかけの紙が貼ってある。中央政府も普通語促進月間を設け普及に力をいれ、試験もあって1級から3級それぞれ甲乙あって、6レベルに分かれている。公務員で3級の乙、国語の先生で1級、省級のアナウンサーなどは勿論1級の甲に合格しているべきとされている。
 それぞれの地方出身によって、不得意な発音が違う。いつも私の隣に座っている四川省出身の男子学生などは後鼻音と呼ばれる「-ng」音ができないと嘆いている。(人懐っこくていい人だ)。日本人には前鼻音[-n]がもっと難しいと思う。例えば「山羊」は漢字は同じだが、発音はshan yang 前鼻音と後鼻音があり、日本語にない捲舌音から始まるのでこんな簡単な単語にも関わらず発音は難しい。
 小さい頃からそれなりに普通語をTVなどで聞いて育ち、高等教育を受けた学生達さえ、こうして学びなおす必要があるのだから、簡単な発音体系の日本語話者には学びにくいはずだ。四声も頭が痛い(嘆息)。
 この授業の最後のほうで、先週は後鼻音の多い武侠ドラマの勇壮なテーマソングを歌った。「-ng」は思い切って口を開放するといいとのこと。今週は軽声。かなり詩的な恋愛ダイアローグを読んだ。「君は僕のもの」「君は光り、君の目は空の星・・・」と愛を語る内容なので隣の男子学生が恥ずかしがっている。ほんとに(汗)。でも、確かに強弱の感覚を掴むには良さそう。「覚えておいて将来ガールフレンドに言ってあげてね」などと突っ込みを入れつつ練習した。
 昨日あるところで「日本に留学したことがありますか?」と聞かれたので、「普通語」クラスの効果ありってことかな。自分を学生の身に置いてみるところにもまた、学ぶところがある。