「李宇春」現象?

部屋で細々仕事をするのも飽きるので、午後は学生の作文を持って散歩に出かけたいと思っていたがお天気が今ひとつ仕方なく部屋に籠もる。
昨日の言語学の授業は音声学がかなり難しくて疲れ、後に座っていた男子学生に注目(笑)。耳と眉の上にピアス、三連のネックレス、鳥打帽、Tシャツとジャケットの重ね着。個性的な格好をしている学生がいない華科大ではかなり異色。この中文系は女の子も1人こんもりと膨らんだパーマの学生がいるので、中文専攻学生の自己主張を感じる。理系の学生にいたっては、ティピカルな服装を絵に描いてお見せすることもできると思う。女子は真っ直ぐな長髪をたらしたり、結んだり、髪には花やドラえもんの飾りを付けている子もいる。今はピンクなどのジャンバーに細いズボンやGパンという格好多い。ぱっとしないけれど、どことなく女の子らしさを感じる服を着ている。
ところが最近、あれっと思う現象に2〜3度遭遇した。D9(ナイン)と外教が呼ぶ東キャンパスの9号棟のトイレは各階毎男女の方角が入れ替わっていて指差し確認でもしないと、男子トイレに入ってしまう危険性がある。先日、確認して入ったはずなのに、真っ黒なスタジャンを着て短い髪の男の子がいる。慌てて出ようとすると、隣に髪の長い典型的女子学生いる。こんな男の子のような学生を2〜3人みかけて、はたと気がついた。これは去年、湖南テレビで「超級女声」というスター誕生番組からデビューした「李宇春」の影響なんじゃないか。昨年の決勝大会までの盛り上がりは中国の社会現象の一つとも言われ、彼女は2005年アジアの英雄の1人として「TIME Asia」の表紙を飾ったこともあり、その賛否を論ずる人もいたが、低い声、ユニセックスな顔と服装、中性的魅力で若い女の子からの人気を集めている。2位の周筆暢もまた同じような格好をしているが、李宇春には及ばないと思う。
 夏に日本の雑誌「Cancan」を女子学生のために持ってきてもらい、ぱらぱら見て感じたのだが、日本の女子大生はお化粧が上手で本当に可愛い。だが、「みんな同じように可愛くて」一人一人の違いは、むしろ中国の学生の方が際立っている。おしゃれも・個性的も数の上で臨界点を越えると沈んでしまうので難しいですね。
(TIME Asia)http://www.time.com/time/asia/2005/heroes/li_yuchun.html 
(人民中国―日本語)http://www.peoplechina.com.cn/maindoc/html/200601/p8.htm