貴妃酔酒(きひすいしゅ)

雨は夕方ほんの水滴。
午前と午後の授業を終え、2年生の会話のための録音を済ませ、夜は昨日から始まった選択科目授業の中から「京劇芸術鑑賞」を聞き行く。この時間を捻出するために、昼はお弁当を詰めて仕事。先学期は寒いので何も聞きにいかなかった。百花斉放、どの科目も聞きに行きたいところだけれど…。
京劇の源流をたどり、辛亥革命以後の梅蘭芳の出現による円熟期にいたるまでの解説を聞き、1955年、彼が楊貴妃を演じた「貴妃酔酒」を見る。花の宴への玄宗皇帝のお出ましを待ちながら、今宵は西妃のもとへ行ってしまったという知らせに、寂しさ、嫉妬を覚えながらお酒で紛らし、高官に当たるというシーン。なんと魅力的な女性。
2年生に使っている会話教材が機能シラバスで当然のこととして今ひとつ場面が盛り上がってこない。虚擬(虚構性)、写意(微細な描写より情趣に訴える)、程式(様式)の3つが京劇の3つの要素だという。京劇理論をどこかで生かせるかな。てなことは真剣に考えていませんがv
06年にも憂いも春も訪れる。55年梅蘭芳の優美を夢見て眠ろう。