育てる

私の後期授業が始まって1週間。久しぶりの2年生会話クラスには、4つの暗記課題を出したら、反応よくやる気満々。
1年生から大学院生までそれぞれの日本語習得度に合わせて、授業活動や課題を準備していると、おなかをすかせた子どもたちにそれぞれの発達段階に合わせた食物を用意しているような気持ちになることがある。食べ足りないのもいけないし、消化不良でもいけない。美味しいものを食べさせたい。それに似た角度でチェックをすることがある。ただ、それは母親的感覚というより、もう少しプロフェッショナルな感覚。
中国語で問題のある文章のことを「病句」という表現するが、以前は「言葉の医師」という感覚があった。どこが悪いのか、問題を客観的に見つけ出し分析、処方を考えるという点では、そうした面がある。今はそれより「育てる」感触が強いのは、やはり彼らが目に見えて健康に成長していくからだろう。
 日中問題も日本人の一人としての見解もあり、日本語科の学生にはそれを伝えたいと思うがこれが一口で簡単にはいかない。彼らの中に元来ある強い価値観への挑戦になるのだから。それは、一律に語る話にならないからだ。
 おお、今日もなかなかのお天気。散歩と仕事のバランスをとって、心身ともに健康に過ごそう。