異次元的お正月

mklasohi2006-01-02

1月1日 異次元的お正月
 1日は4年生の親しいH君と2人で漢陽(ハンヤン)にある有名な禅寺・帰元寺に行き、墨水湖という湖が近いはずと散策してきた。ここには、日本の「ゆくとし来る年」で有名な寺からの中継で聞こえる読経の荘厳さはなく、羅漢さんとすれ違ってもお経よりカンフーが上手そうに見えてしまう。
初詣ということで、それなりに小奇麗に装っていくと街頭の手相見のおじさんになんと「金持ち小姐」と勘違いされ付きまとわれ、H君が懸命に断ってくれた。
湖は地図では歩いてもいけそうだったが、おじいさんにきく、おねえさんに聞く・・・を繰り返しても見えてこない。漢陽のこの辺、ホコリっぽい田舎道で、崩れたレンガの家、バスも走らぬ通り、家々には春節までの1ヶ月かけて、干し肉干し魚が吊るしてある。「蝋肉っていうんですよ」とH君が教えてくれる。
一人だったらバスも通らぬこんなとこまで歩かなかっただろう。白菜を下げて歩くお爺さん、練炭を運ぶ手押し車、外で雀卓を囲んでいる人。やせた犬、鶏も道で何かついばんでいる。2006年1月1日、なんとも不思議な地図の上を歩く。武漢動物園まで歩いて、柵の奥に湖が見えたところで夕方になりあきらめた。
優秀なH君は、上海の大手日本企業に就職が決まっている。魔都でどのような人生を歩んでいくのか、晩餐をともにしながら、上海で会う約束したけれど、来年のお正月は思い出すだろう。鶏のいるホコリっぽい田舎道をいっしょに歩いた異次元のお正月。

1月2日 万事如意
武昌、漢口、漢陽をあわせて武漢三鎮と言うが、今日は漢口の2年生男子学生のお宅に呼んでいただき、学生たちとバスに乗り継ぎ行ってきた。これでかなり武漢の地図が頭に入った。その辺は同じ武漢出身の女の子でさえ初めてということ。一本入ると露天の商店街だが、漢口はかなり都会。彼の家の建物の暗い階段を5階まで登りながら、80年代の中国映画にでも入り込んだ気持ちになる。
武漢人のお宅に伺ったのはこれで5回目ぐらいだが、ご馳走になると恐縮するのは、ご両親が2人で台所にこもってご馳走を作ってくださり、ともに食べないこと。0先生宅でもそうだったが、70過ぎのお父様お母様が次々とお料理を作っては運んでくださり、これが武漢人のもてなし方だからと皆に言われるので従うけれども、そのシチュエーションで平気で食べられる日本人は少ないだろう。
 お手製の腊肉、腊魚もご馳走になった。脂の乗ったベーコンや鯖の干物のよう。東北地方出身の学生のところにはない食べ物だそうだ。
 おいとましてからそう遠くない香港路の「武漢文物市場」に寄って、小さいお猿の置物と、小さな「如意」を買った。学生たちががんばってくれたので、簡単なお食事代ぐらいの値段。高い骨董を買うぐらいならどこかへ寄付したいから。
吉祥如意、万事如意。帰りのバスの中で男子学生たちと日中のこと、思うことを話せたのも良かった。