中国で教師をすると言うことは…

 今夜は9時まで仕事なので誕生日のパーティは無しの筈だったが、結果として30㎝径ほどもあろうかのケーキが4つ。遠くから運んでくれた学生もいる。国際交流センターの先生もバラの花とともにわざわざ届けてくださった。プレゼントやメール、それぞれにこめられた優しい心とともに頂戴した。
1年生は大きなスクリーンに一杯のおめでとうの画像を作ってくれ、一緒にケーキでエネルギー補給し、しっかり勉強した。
大学院の授業は夜。行くと、小さな演習室の明かりが消えている。あれ?おかしいなぁ、今日は休みだったけ?とガチャリと扉に手をかけると、すりガラス越しの暗い部屋に小さな明かりが一ずつ点っていく・・・。さすが、院生の演出は夜ということもあっておしゃれ。
 部屋へ戻ると、1年の男子から「僕たちは先生が大好きです」とメールが来た。この大学は名門校だけあって、学部を選ばない、日本語を勉強したかったわけではない、日本人への不信をベースに複雑な思いで始めた学生も少なくない。その気持ちに少しでもプラスの変化を与えることができたのなら、遥か海を越えてやってきた甲斐がある。
 日本語1級試験直前の仲良しの3年生も「試験が終わるまでちょっと待ってくださ〜い」とメールをくれた。特にここ1ヶ月は年一回のしかも、ここでは合格できないと少数派に入ってしまうという大きなプレッシャーの中でマラソンランナーのような時間を過ごしてきている。3年生のその苦しい息づかいは横で見ていても感じられる。そんな中でお祝いの気持ちを送ってくれたことが有難い。
 中国で教師として愛されることは、かほどのことなのかとその温かさに触れられた良い一日でした。