自転車で駆ける北京/1日目

mklasohi2005-11-07

朝の北京西駅、中国式の立派な駅ビルに圧倒される。ここから地下鉄軍事博物館までは幌つきの自転車に乗る。女性二人、スーツケース、それぞれのリュックという重みを後ろに、おじさん一人で漕ぐのだからその脚力には驚くしかない。老舎の小説・北京の車引き「駱駝祥子」を思い出す。
 地下鉄一号線と二号線を使って王府井の宿へ。王府井はよく北京の銀座などと言われるが、元朝からその名がある古い通り。一泊220元のホテル。小さいが清潔で、従業員の人たちも親切。お向かいの貸し自転車屋さんに連れて行ってくれて、うちのお客さんなんだから300元もの保証金なんてとらないでよと交渉してくれる。丁度お昼時だったせいもあるが、「担当」のおじさんを待つこと15分。貸し自転車屋の小屋には既に3人もつめているのに、誰も、じゃ、乗って行けばと言える人がいない。大の大人が何のためにそこにいるのぉ?。半日20元にしてもらう。
 自転車に乗って故宮の壁伝いに回る。景山公園、北海、後海。何だか胸いっぱい。広い道路に自転専用道が整備されていて、とっても走りやすくてブンブン飛ばせる(笑)。
路地の胡同にも自転車で入ったが、目抜き通りをちょっと入ると昔ながらの生活空間が残る北京は本当に不思議な街、想像以上に保存されている。
運河・後海沿いには中国風、異国風のバーが椅子を表に出して並んでいて、力車が外人客を乗せて走っていく。私たち2人、思いのほか遠くに来てしまい、とっぷり暮れた道を人に何度も尋ねながら帰る。6時の約束に遅れて少しドキドキしたが割り増しを取らないでくれた。
 少し休んで7時15分からの天橋雑技団を見に行く。雑技というよりまるでバレエパフォーマンス、斬新で優美な演出で、皿回しまでなんだかシュールだった。全員15〜6歳ぐらいまでの子どもたちなのが気になったが、彼らのエンターテナーぶりに拍手と歓声が上がる。小屋は1931年に建てられ改築を繰り返してきたそうで、1965年に作家老舎が書いた「万勝劇場」という題字が入り口に彫ってあり、ホールの床には「福が重なる」という意味と音が通じる蝙蝠の絵が描いてある。
この日わたしはちょっとおなかを壊したので、煮卵を買って帰る。