秋の金曜日の夜には

mklasohi2005-10-28

秋の金曜日の夜にはコンサートに行きたい。そう思っていたら、ピアノコンサートに誘っていただき、武漢音楽学院のコンサートホールに行ってきた。セントペテルブルグ音楽院の国費留学から戻ったばかりの同校胡楊氏の演奏会だ。武漢にもこんなところがあったのかとびっくりするほど、100年以上の歴史をもつこの大学は、ロシア式の建物も美しく芸術の香り高い素敵な学校だ。
 曲目はスクリャービン「4つの前奏曲」シュスタコービッチ「2台のピアノのための協奏曲」、ベートーベン「熱情ソナタ」、プロコフィエフ「ピアノ第一協奏曲」。
 後ろの人の抱える白百合の花束からかぐわしい香りも漂う。柔らかさと強さのバランスのよい演奏で、疲れも解けた。
 帰りは送っていただく途中、閲馬場(ユエマーチャン)の広場の近くの「皇冠(クラウン)ベーカリー」でおいしいチーズケーキを買った。英語にa slice of heavenという表現があるが、まるでそれは、「天国の切れ端」のようなものだ。人にはこういう物や時間が必要だと思う。
 閲馬場の広場の反対側では、胡弓を伴奏に人々が歌ったり踊ったり、黒山の人だかりになっている。一般市民が楽しみとして、集まって歌っているそうだ。それぞれの金曜の夜の過ごし方。