「堕落」と堕落の間

アメリカ人の先生たちからの花火のお誘いを断って、延び延びになっていた4年生との「堕落」(笑)の約束を果たすv。
「堕落」街を大通りまでぬけたところにある「三国英雄」という火鍋(鍋物)専門店で腹ごしらえ。洗面器のような鍋が巴形に白湯(バイタン)と紅湯(ホンタン)に仕切られていて、紅湯は唐辛子と花椒で真っ赤、それに好きな具を入れて煮る。牛肉や野菜のほかに、羊やロバの肉まで運ばれてくる。紅湯だけで顔を真っ赤にして湯気と笑い声で鍋を囲んでいるテーブルもある。人気のお店で、出る頃には外に何組も椅子に座って待っていた。
今学期は4年生の授業がないので、会うのは3ヶ月ぶり。よくメールをくれるのが、新聞作りを一緒にした長身ハンサム「−波涛」君。素敵な名前なので、由来を聞いたら、生まれたとき占いの人に見てもらい、5行(金、火、水、土、木)のうちの水が欠けていると言われ、ご両親が「水が流れ込むように」という願いでつけたのだそうだ。
「生まれたとき燕が家の中にいたから」、「帆を揚げて進むように」、「毛沢東の詩の一節から」などと名前の由来を聞くと彼らが生まれたときのご両親の期待が伝わってくる。
実は、彼らは夏など日系企業で実習をし、日本人のご乱行を見てきたそうだ。説明のつけようはありません。反日感情がベースとしてある国で、入学後日本語科の先生方は学生達が日本を正しく理解すること、日本を彼らの目で客観的に再認識することに力を注がれている。
 男女の別なく、一人の宇宙をどこに移そうとも、自戒のボーダーは変えずにありたいものだ。「大学・中庸」に「君子はその独りを慎む」とあります。
 それにしても、「街であそんでカラオケに行く」、この程度を「堕落」とかりそめにも表現する中国の大学生の自制心にも最初おどろいた。誘惑の始まりという意味合いだろうが。あ、決して石頭の退屈な人間たちではないですよ、えー、やや音痴な子もいるけど・・・(笑)完璧もまたつまらないし。