開水(カイシュェ)

mklasohi2005-08-26

中国の生水は飲めないことは前にも書いたが、そのために大学内にはお湯汲み場や、校舎内にも湯沸し(四角い銀色の箱型)が置いてあり、そこで学生達は魔法瓶にいれて寮へ持ち帰ったり、水杯・水壺と呼ばれる水筒に入れて、めいめい好みのお茶の葉や菊の花などいれ授業に持ってきたりする。私の「水杯」もガラス製の1号が早々に割れてしまってから、プラスチック製の2つを使い分けていろんな旅にもお供してもらった。
お客に来てくれた人に何にしますかと聞いたら「開水(お白湯)を」と言われ始めはびっくりした。日本でお客様にお白湯をだすということは考えられない。そんなおもてなしは聞いたことがない。それでも、ご希望ゆえ、お白湯を出した。
春になる前、風邪を引いて熱を出したときに宿舎の人に、お茶ではなくお白湯を沢山飲んだほうがいいと言われ、いつも持ってきていただく魔法瓶3〜4本分を飲んだ頃には熱が下がっていた。
ここのお白湯はなんだか少し甘みもあって、ぬるくなりかけたぐらいが一番おいしい。やわらかく、のどを伝わっていき、からだに負担をあたえようとしない感じがよい。
オレンジ色のランプの下に水杯を置いて、本を読みながら、お白湯を飲む・・・騒がしい日中の疲れを癒す静かな夜は、虫の音と本と「開水」だけで、他には何もいらない。